成果が上がらないのは、能力や意識が原因ではない

 部下を指導するときに重要なのは、部下の内面ではなく「行動」に目を向けること。そして、「どうしたら結果が出せるのか」を具体的な行動に落とし込んで示すことです。

 「仕事ができない部下」の「できない理由」は、実は2つしかありません。一つは、「やり方が分からない」。もう一つは、「やり方は分かっていても、継続できない」こと。

 つまり、仕事ができないのは能力や意識が低いからではなく、仕事のやり方や続け方が分かっていないからなのです。上司はまず、部下がこの2つの理由のどちらでつまずいているのかを見極めることが大切ですが、ここは比較的、簡単に見極められます。というのも実は、「やり方が分かっていない」というケースがほとんどだからです。

 「やり方」とは、その仕事で成果を上げるために必要な「知識と技術」のことです。ただし知識や技術といっても、いわゆる「職種や業務に特有の知識」や「ビジネススキル」のことではありません。皆さんがアサインされている業務で、成果につなげるための「具体的な行動」のことです。例えばあなたが営業なら、「顧客の新規開拓から成約までの具体的で詳細なプロセス」が知識であり、技術でもあると言えるでしょう。

 「やり方が分からない」部下には、成果に直結する具体的な行動を分析して示し、トレーニングする。そこでやり方が分かったら、次に「習慣化できる環境」をつくっていく。このステップを踏んでいけば多くの部下は「仕事ができる」、つまり、成果を上げられるようになります。

「パレートの法則」をビジネスに当てはめると…

 皆さんはビジネスにおける有名な、「パレートの法則」をご存じかと思います。「80:20の法則」「2:8の法則」などと呼ばれることもありますよね。実はこの法則、ビジネスにおけるパフォーマンスにも当てはめることができるのです。

 私は多くの組織が、2割の「できる人(=ハイパフォーマー)」と8割の「できない人」で構成されると考えています。一般には2割の「できる人」、6割の「普通の人」、2割の「できない人」という分け方がなされるケースが多いと思いますが、本稿で私は便宜上、「普通の人」「できない人」を合わせた8割を「できない人」としています。現場リーダーや管理職の皆さんに求められているのは、ハイパフォーマー以外の「8割の人たち」の底上げを図ることです。