「結果に直結する行動」を分解・言語化してみる

 リーダーや管理職の皆さんは、ご自身がハイパフォーマーだったとしても、部下の大半は「8割の人たち」、つまり普通もしくはできない社員なのだと認識してください。そして、「やり方が分からない」部下のために、ハイパフォーマーの「結果につながっている行動」を、一つひとつ具体的に分解して、言語化してほしいのです。

 私が講師を務める日経ビジネスの「課長塾」などのセミナーやワークショップでは、「行動を細かく分解して言語化する」とはどういうことかを理解していただくために、「ペットボトルの水をコップに注ぐ」という行動を例に、実際に分解してみていただく実習をすることがあります。

 皆さんはこの行動を、どこまで細かく分解できますか? 恐らく、「ペットボトルを持つ」「キャップを開ける」「コップに水を注ぐ」といった数ステップに分解したのではないでしょうか。しかし、これでは全然、足りません。あなたがこの程度の分解しかできないのであれば、「できない部下」は仕事ができないままでしょう。ハイパフォーマー以外の「8割の人」に、成果につながる行動を示すためには、もっと細かく分解していく必要があるのです。

「ペットボトルのふたを開け、ボトルを傾けてコップに水を注ぐだけ」に思える行為も、ここまで細分化することができる。「できない部下」に成果を上げさせるには、時にここまでする必要があると、石田氏は指摘する
「ペットボトルのふたを開け、ボトルを傾けてコップに水を注ぐだけ」に思える行為も、ここまで細分化することができる。「できない部下」に成果を上げさせるには、時にここまでする必要があると、石田氏は指摘する

 実習では、「ペットボトルを持つ」という行動は、「ペットボトルを見る」「ペットボトルに利き手と反対の手をのばす」「ペットボトルをつかむ」「ペットボトルを引き寄せる」と、4つの行動に分解。コップに水を注ぎ終えるまでには上図のように、最終的に27の行動にまで分解します。そこまで分解して、平易な言葉で示してはじめて、「いつ、どこで、誰がやっても同じようにできる」ようになるのです。

 となると部下が仕事で成果を出せるようにするには、結果を出している人、つまりハイパフォーマーの行動を分解し、言語化すればいいと分かりますよね。「ならばわが社のハイパフォーマーに、ノウハウを聞きにいこう!」と思った方は、ちょっと待ってください。ことはそう、簡単でもないのです。その理由は次回、説明します。

構成/田村知子

日経ビジネス課長塾オンデマンドより
本連載の著者である石田淳氏は、課長塾および課長塾オンデマンドの講師として活躍中です。課長塾オンデマンドでは、次世代リーダーが身に着けるべきスキルとして「行動科学による部下指導法」を解説しています。

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