仕事の手順を細かく、そして平易に伝えることが、部下に成果を上げさせるための第一歩。では、結果につながる行動を定着させるには、どうすればいいのか。正しくフィードバックすることで、定着を図っていこう。

「できる人」の行動を観察して、チェックリストを作る

 前回の記事「あなたの部下が『仕事ができない理由』は2つしかない」で、私は部下に成果を上げさせるためにはできる社員、つまり「ハイパフォーマー」の行動を分解し、言語化すればいいと説明しました。そして「ならばハイパフォーマーにヒアリングすればいいのでは!」と思った皆さんに「待った!」をかけましたね。

 というのも「行動の分解・言語化」は、ハイパフォーマーの人ほど苦手な傾向があるのです。なぜならハイパフォーマーは、すべきことを感覚的に理解して、行動に移していることが多いからです。それゆえにハイパフォーマーの上司は、部下への指示も抽象的になりがちです。

 例えば企画部門の上司にありがちな指示に、「もっとセンスを磨きなさい」「アンテナを高くして情報をキャッチしなさい」といったものがあります。実はこの指示ではほとんどの部下が、具体的に何をすればいいのかが分かりません。上司本人は、「そんなことは自分で考えれば分かるのではないか」と思うかもしれませんが、ハイパフォーマーではない「8割の人」には分からないのです。

 では、そんな時はどうすればいいのでしょうか。

 センスがよく情報感度も高い、結果を出しているハイパフォーマーの行動を観察すると、8割の人たちとの行動の違いが見えてきます。「センスを磨く」「アンテナを高くして情報をキャッチする」ために、ハイパフォーマーが何をしているのでしょうか。

ハイパフォーマーではない部下にはどう指示すればいいのでしょうか
ハイパフォーマーではない部下にはどう指示すればいいのでしょうか