優先順位が高いはずの部下育成、後回しにしていませんか?

 ところで、部下のマネジメントや育成は「今日始めて、明日結果が出る」というものではありませんよね。現場リーダーや管理職の皆さんには、プレーイングマネージャーとして自身でも業務を抱え、多忙な日々を送っている人も多いでしょう。そんな中で部下の指導がつい、後回しになってしまうこともあるかもしれません。

 世界的なベストセラー『7つの習慣』の著者であるスティーブン・R・コヴィー氏が、同著で提唱したタスク管理法「時間管理のマトリクス」をご存じの方は多いと思います。縦軸と横軸に「重要度」と「緊急度」を配し、タスクを4つの領域(第1領域=重要であり緊急である仕事、第2領域=重要であり緊急ではない仕事、第3領域=重要ではないが緊急である仕事、第4領域=重要でもなく緊急でもない仕事)に分類する手法です。

部下のマネジメントや育成は「重要ではあるが緊急ではない仕事」

 部下のマネジメントや育成は、このうちの「重要ではあるが緊急ではない仕事」に位置づけられることが多いでしょう。先述したように、今日指導しても、しなくても、すぐに影響が出るわけではないからです。それよりも、「重要ではないが緊急である仕事」のほうが取りかかりやすく、優先してしまいがちですよね。

 しかし、重要ではあるが緊急ではない、すぐに結果が出ない仕事というものは、重要度に重きを置いて取りかかるか否かで近い将来、1年から3年後くらいには、成果や業績に大きな差となって表れます。つまり、「重要ではあるが緊急ではない」のではなく、「緊急ではないかもしれないが、重要な仕事」であると捉えて取り組むのが、正しい姿勢なのではないでしょうか。

 単なる言葉遊びだと思いますか? でも、語順を入れ替えるだけで受け取り方はグンと変わるものですよ。ぜひ、目の前の業務に追われることなく、数年後の結果を見据えて、部下のマネジメントや育成に取り組んでいただきたいと思います。