2020年に外資系医薬品会社のメルク・ベトナムの社長に就任した池田秀子さんに、前編では新卒入社の営業職からロンドン留学への経緯などについて聞きました。後編では、医薬品業界へのキャリアチェンジや、池田さんのキャリアに対する考え方について紹介します。
前編 大企業を辞め、MBAを取得 外資系の異業種に挑戦
メルク・ベトナム社長

2、仕事への情熱を高めたい…出会い・発見・学びを大切にしてキャリアを積んでいく
3、やってみたい仕事に就きたい…社内で自分のサポーターを見つける
42歳で決意した大きなキャリアチェンジ
日経xwoman編集部(以下、――) 情報通信企業でキャリアをスタートし、MBA取得後に医療機器業界に従事していた池田さんですが、現在の医薬品の分野に進んだのはなぜなのでしょうか?
池田秀子さん(以下、池田) 国内の手術器械メーカーで働いていた時に、エグゼクティブサーチの方から参天製薬に誘いを受けました。私は「新しいこと」「チャレンジングなこと」を大切にしたいと思っています。新しいことへのアンテナは常に高くしていて、こうした話があれば、異業種であってもまずは聞いてみるスタンスです。
―― なぜ転職を決意したのでしょうか?
池田 当時42歳で、医療機器の業界を卒業して医薬品業界に入ったのは私にとって大きなキャリアの転機でした。医療機器の企業2社で10年ほど働いて、製品のマーケティングから経営まで「やりたい仕事は全てやった」という気持ちがありました。それに、自分が畑違いの医薬品業界に縁があるとは思っていなかったので「いい機会だからやってみよう」と思い2014年に転職しました。
―― どういった役割を期待されたヘッドハンティングだったのでしょうか?
池田 参天製薬でグローバルマーケティングを立ち上げるために、グローバルマーケティング室長として打診を受けました。ある程度は前職の経験が生かせる業務でしたが、医療機器と医薬品では製品のできる過程や世の中に出して販売を続けていく方法が全く違うので、キャリアの幅が広がり、とても勉強になり、刺激も受けました。また、日本の会社が世界へ進出していくための仕事ができるのはすごく誇らしく感じました。