働き方改革、コロナ禍によるテレワークの普及など、私たちの働く環境は目まぐるしく変化しています。そんな中、自分のキャリアを主体的に選択する「キャリア自律」が重要性を増しています。なぜ今、主体的にキャリアをコントロールすることが求められているのでしょうか? リクルートマネジメントソリューションズ組織行動研究所所長の古野庸一さんに前後編2回に分けて聞きました。前編はなぜ、主体的にキャリアをコントロールする「キャリア自律」が必要なのかについてです。
前編 社員が「自律」しても、転職するとは限らない ←今回はココ
後編 人生の後半で「自分のストーリー」を語ることの意味
「キャリア自律」の意味
自分のキャリアを主体的に選択するという意味で使われることが多い「キャリア自律」という言葉。古野さんは「人によって捉え方が異なります。多義的で様々な意味合いを含んでいます」と言います。
リクルートマネジメントソリューションズが「キャリア自律」の意味について、若手・中堅社員がどう捉えているかを調査したところ、「『自分のキャリアの責任は自分にある』と考えること」(64.6%)が最多でした。次に多かったのが「自分の価値観に基づいて、自分でキャリアを選択すること」(61.3%)でした。
キャリア自律という言葉の誕生を振り返ることでも、意味とその重要性への理解が深まります。古野さんによると言葉が生まれたのは2000年代の初め。この年代の特徴は「変化の激しさ」です。