捨てられるようになるプロセス
まず、ロードマップのようなものを思い浮かべてください。進む道程は一本道ではなく、途中に交差点もあれば三差路も二股もある。でも、選べるのは一つだけですから、その都度何かを捨てることになります。捨てるのは、あなたの限界に照らし合わせたときに、現実的でない選択肢です。
再び「転職」を例に考えましょう。
例えば、「宇宙で仕事をする」という選択肢。今の時代、その可能性は誰にでも開かれてはいるものの、ほとんどの人にとって現実的ではありません。だから、捨てる。この判断は容易にできますよね。
では、「海外で仕事をする」。どうでしょうか。日本語しかできない場合は、可能性はゼロではないけれど、限界もちらつきますよね。そこで、その限界をにらみつつ、状況を客観視してみます。
海外での仕事を日本語だけで進めることができるのか。それ以前に、そもそも他の応募者のなかから外国語のできない自分が採用される可能性があるのか。もちろん、これから現地の言葉を猛勉強する覚悟があれば、限界は突破できるかもしれません。そこは自分次第です。
あるいは、もしもあなたが、「得意の英語を生かせる海外勤務をずっと希望しているが、今の会社では希望が通りそうもない」といった状況なら、勤務地が英語圏の会社の求人は、応募先として有望な選択肢の一つになるでしょう。でも、勤務地がフランス語圏の国や中国で、ビジネスで使う言葉もフランス語や中国語だとしたら、英語を生かしたいあなたにとっては不要な選択肢となります。
このように、一つひとつの条件を、冷静につぶしていくような作業で、不要な選択肢を仕分けしていくのです。
納得できないときに足りていないもの
選択肢の絞り込みの前に、とても役立つのが情報収集です。自分が納得できていない場合、その原因はたいてい情報不足です。自信を持って決断したり、動いたりするためには、十分な情報が必要です。
AとBのどちらにすべきか――選択肢を前に悩んでしまう。
転職先候補のA社とB社、書き上げた企画書のA案とB案、子どもの受験先候補のA校とB校、婚活アプリで出会ったAさんとBさん。どちらもイマイチ決め手に欠けるというシチュエーション。どんな世代でも、どんな立場でも、どんな大きさの決断シーンでも、よくありますよね。