専業主婦を経て47歳で再就職、時給から月給への転身、離婚、コロナ失業、60代での転職……どんな状況になっても後悔したことがない薄井シンシアさん。日経xwomanの講演やセミナーでも大反響だった、シンシアさんの「決断力」が、1冊の本になりました! タイトルは『人生は、もっと、自分で決めていい』。その本から一部を抜粋してお届けします。

固定収入が途絶えたら、どうしよう

 お金は人生に欠かせませんよね。お金に対する態度、お金の使い方、金銭感覚、お金にどのくらいのプライオリティーを置くのか。これらは、その人らしさや生き方に直結します。

 私はもともと物欲があまりなく、お金のかかる趣味もない。お金がそんなに必要なタイプではありません。でも、人生100年時代といわれる今、62歳の私でも、先はまだまだ長い。つい数年前にも、「私は果たして自分一人の収入でやっていけるのか」と、不安になったことがありました。

 仕事に夢中になっているときはいいんです。不安が一気に募るのは、固定収入が途絶えたとき。

 私は58歳のときに、ANA インターコンチネンタルホテル東京を辞めて、シャングリ・ラ 東京に転職しましたが、辞めた時点では次の仕事が何も決まっていなかったんです。

 「このまま、もし仕事が決まらなかったら無収入になる。どのくらいの期間、どうやって生活していけるだろうか」とじわじわと不安に襲われました。

 そこで、改めて、今の月々の生活費くらいは把握しておいたほうがいいな、と思ったのです。

 専業主婦時代から毎月の収支は把握していました。でも、家族がいると使途不明金や変動もあり、自分一人がどれだけのお金を必要としているのかまでは分かりませんでした。そこで今回は、毎月の固定費を 1 円単位まで足しあげて計算してみました。