一人でもやっていけるんじゃない?
「あなたは専業主婦から社会復帰して、カフェテリアマネジメントで億単位の仕事を回せるようになった。ニューヨークで挑戦したレストランマネジメントコースのプレゼンでも高い評価を得た。それは、紛れもなく、あなたの実績。あなたは一人でもやっていけるんじゃない?」
ぐるぐるしている自分一人では気づくことのできなかった明確なフィードバックでした。この言葉に背中を押される形で、私はようやく、離婚に向けてかじを切る決心がついたのです。
その後、夫は先に帰国し、私も娘とともに日本へ帰国。ようやく見つけた時給1300円の電話受付の仕事で日本でのキャリアをスタートさせたのでした。それから日本で仕事の経験を積み、別居状態をしばらく続けて、正式に離婚したのは58歳のときです。
自分の価値観を軸に決断して「円満離婚」
お金については、全くもめていません。二人でこれまでにためたお金はきっちり半分に。彼の退職金は、私が彼に帯同した年数分のうちの半分をもらいました。
彼は親から相続している土地や財産があり、弁護士は私にももらえる権利があると助言してくれましたが、私はもらいませんでした。なぜならそれは、彼の両親がつくった財産だから。どんなときもフェアでありたい、という私の価値観による決断です。
これが、私がうつになるほど苦しんだ決断のプロセスです。