トライアル期間を経て、軽井沢に家を建てることを決めた櫻井夫妻。駅への近さや資産性を重視しがちな都会の住まい選びとは違う、「軽井沢での家づくり」について、お話を聞きました。

1本目 夫婦で軽井沢に移住してみた、決断までの道程と葛藤
2本目 軽井沢、駅近賃貸に住んでみた 後悔の先に見えたもの
3本目 軽井沢 満を持して、土地を探し・家を建て・住んでみた ←今回はココ

日経xwoman(以下、──) 賃貸生活を経て、いよいよ軽井沢での家づくりですね。まず、土地はどのように探したのでしょうか。

櫻井泰斗さん(以下、泰斗) 賃貸暮らしのときから出かけるたびに、「このエリアだと生活パターンはどのようになるのか」というシミュレーションをしていました。というのも、軽井沢と一口に言っても、実はさまざまなエリアがあるためです。例えばエリアによって、人の多さや渋滞の有無、ゴミ収集の頻度、除雪車が通るかなど生活に関わる部分が異なります。また、湿度や日照時間など、気候面でも違いがあります。

重視したのは普段使いの店へのアクセスと災害リスク

 まず、隣の市への車でのアクセスの良さを重視しました。「駅まで徒歩~分」というのは考慮していません。実は軽井沢という場所は、別荘地ということもあり、観光客向けのレストランや店はあるけれど、居住者が普段使いするような店、例えば格安の雑貨店やファミレス、外食チェーン店がほぼない。「今日の食事は、外で気軽に済ませたいね」というときの選択肢がないんですよね。だから休日に、生活用品の買い物や肩肘張らない外食をしたいときには、近隣の佐久市や小諸市、東御市などに行くことが多いんです。

「軽井沢には手軽なファストフードのお店が少ない」(櫻井さん)、写真はイメージ
「軽井沢には手軽なファストフードのお店が少ない」(櫻井さん)、写真はイメージ

 自然災害のリスクも考慮しました。地盤の強さや土砂崩れの危険性を自治体が配布するハザードマップで確認したり、万が一、浅間山が噴火したらどんなことが起こるかも調べたりして。とにかく自然が豊かな分、自然の脅威も同時にあるため、そのリスクは慎重に考慮しましたね。

 そうやって絞った候補エリアの中から、良さそうな土地が出たと不動産屋さんに聞いて。実際に見てから、3日で決めました。軽井沢の観光エリアから離れた、森に囲まれた静かな別荘地です。

櫻井ユウコさん(以下、ユウコ) 賃貸生活に不満があった分、夫婦ともに住まい選びのリテラシーが磨かれていたので、判断基準は明確でした。いざ決めるときは早かったですね。