受賞
株式会社無駄 代表取締役 コンテンツクリエイター、文筆家 藤原麻里菜さん(29歳)
人の心を豊かにする「無駄づくり」活動を展開。
新しい価値観を生み出し、独自のキャリアを形成

独創的なものづくりが人気のクリエイター。「無駄づくり」と題して作った作品を、YouTubeやツイッターなどのSNSで発信し続ける。これまでに制作した作品は「オンライン飲み会緊急脱出マシーン」「水がびしゃびしゃになるよう計算されたスプーン」「インスタ映え台無しマシーン」など200点以上で、台湾など国内外での展示会や、企業コラボの作品も世の中から高い評価を得ている。無駄づくりの理由を「無駄をあえて生み出すことで心の余白が変わってくる」と語る。コロナ禍で不要不急の行動が戒められ、「無駄」が排除されがちな時代に、社会の役に立たないと思われている「無駄なもの」をブレることなくつくり続け、独自のキャリアを築いた姿勢は多くの人々にインパクトを与えている。
受賞
株式会社EventHub 代表取締役CEO 山本理恵さん(34歳)
受注ゼロからオンラインサービスにいち早く転換。
累計60万人が使用するイベントシステムで人をつなげ、世界を近づける

参加者同士のつながりが生まれにくい日本のイベント業界に商機があると考え、2016年にリアルイベント支援サービスの会社を起業。しかし事業が軌道に乗り始めたころに、コロナ禍で受注がゼロに。そこでいち早くオンラインイベントシステムに転換したことで受注が大きく伸び、官公庁や企業、学会など幅広いジャンルで累計60万人が使用するBtoB支援ツールに成長させた。アメリカで生まれ育ち、日本のビジネス作法に慣れずつらい思いをしたこともあるが、異文化をリスペクトする姿勢が育まれたことで、アメリカで浸透していたオンラインイベントや参加者がつながりやすいイベント支援ツールが日本でも成功すると確信。逆境を商機に転換させた。
受賞
NPO法人WELgee 代表理事 渡部カンコロンゴ清花さん(31歳)
難民認定待ちの来日難民を「グローバル人材」として就労支援。
ウクライナ避難民支援でも注目の社会起業家に

日本の難民認定率は1%程度と極めて低いなか、日本に来た難民申請者を、支援が必要な「弱者」ではなく、祖国で培ったスキルや経験、情熱に光を当てる「グローバル人材」として捉え直し、日本企業への就労をサポートする事業を展開。発想の転換で、長期の在留資格を獲得するという新しい支援の形を構築した。日本企業にとっても、難民申請者が持つスキルや経験を生かした就労支援の実績は、ビジネスの成長にもつながることを証明。大手企業との協働事例も増加している。2022年はウクライナ避難民の来日で、企業からの問い合わせやメディア出演、講演依頼が一気に増加し、社会起業家として注目されている。
1)働く女性のロールモデルを掲示
働く女性の多くが、身近に目標となる先輩を見いだせないという悩みを抱いている。そこで、各分野で活躍する女性たちを紹介することで、働く女性のロールモデルを提示する。
2)組織や社会の中に埋もれがちな個人の業績に光を当てる、人材発掘型の企画
既に著名な方から人選するのではなく、組織や社会の中で埋もれがちな個人の業績に光を当て、新しい人材を発掘する。会社の看板に頼ることなく、個人の力を磨いてキャリア設計をする女性を紹介することで、21世紀型の仕事スタイルを探っていく。
3)働く女性の「今年」と「これから」を映し出し、時代の変化の矛先を捉える
働く女性の「今年」と「これから」を鏡のように映し出す企画でもある。その年に活躍した女性たちを通して、時代の変化の兆しを捉えていく。
●審査員(50音順)
・相内優香さん(テレビ東京 総合編成局アナウンス部)
・入山章栄さん(早稲田大学ビジネススクール 教授)
・関 美和さん(MPower Partners ゼネラル・パートナー)
・村上 臣さん(武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 客員教員)
●審査方法
以下4つの評価基準で採点、審査員4人と編集部の総合得点で決定。
1)新規性 着眼点の新しさ。イノベーションを起こし、新しい価値観を提示・実現したか。
2)成功度 今年のビジネスの業績。社会への貢献度。
3)社会へのインパクト 社会に多くの影響を与え、その発展・改革につなげたか。人々の心を豊かにしたか。
4)ロールモデル性 自ら切り開いたキャリアの道筋が、読者にとってモデルとなるか。
※審査基準・方法の詳細は、『日経WOMAN』2023年1月号(12月7日発売)81ページを参照ください。
『日経WOMAN』2023年1月号
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構成・文/日経WOMAN編集部
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