「Notion(ノーション)」を知っていますか? 2021年10月に日本語β版の提供を開始したWebサービスが、ITに強い人々の間で話題を集めています。初心者には一見して何に使うのかも分かりにくいサービスですが、会社単位で本格導入する企業も増加しているとか。なぜでしょうか? 自分が勤める企業での導入を主導し、Notionを広める情報発信も行っているプロに「何ができるサービスか」「なぜ導入する企業が増えているのか」を聞きました。

「あのファイルはどこ?」「最新データはどこ?」を解決する

 資料作成なら「PowerPoint」、タスク管理なら「Trello(トレロ)」、メモを取るなら「Evernote」――など、世の中には業務を管理する上でさまざまなWebサービスやアプリがあります。用途別アプリはそれぞれに強みがありますが、使い分ける過程で情報が分散して、煩雑になる場合もあります。

情報を一元管理できるWebサービス「Notion(ノーション)」が日本語β版の提供を開始し、話題を集めています(イラストはイメージ)
情報を一元管理できるWebサービス「Notion(ノーション)」が日本語β版の提供を開始し、話題を集めています(イラストはイメージ)

 また、プロジェクトが部署をまたいだり、新しいメンバーが入ったりしたときに「あのファイルはどこにあるのか」「どのデータが一番新しいのか」というやりとりをしたことはありませんか。

 「情報の所在を探るためだけに使っていた大量の時間が浮き、チーム全体の生産性が大きく上がる」と話すのは田原聖悟(しょうご)さん。勤務しているベンチャー企業でNotionの導入に携わりました。

 田原さんはもともと、海外サービスを調べるのが趣味だったといいます。Notionは個人で利用していました。自身で使い方を極めながら企業の活用事例などの情報を発信し、Notion関連のイベント登壇や寄稿連載も行っています。

 Notionを使い倒している田原さんに、「どういうツールなのか」「企業が導入するメリット」などを解説してもらいました。また、田原さん自身がどんな働きかけをして自社に導入したのかのステップも教えてもらいました。