1. TOP
  2. 鐙麻樹 ガラスの天井に挑み続ける北欧の人々
  3. フィンランド首相 サンナ・マリンは世界を変えたか
鐙麻樹 ガラスの天井に挑み続ける北欧の人々

フィンランド首相 サンナ・マリンは世界を変えたか

2019年に34歳で首相に就任したマリン氏が辞任へ。「マリン現象」は若者の政治参加意識を高めたのか

Terraceで話題!

世界最年少の34歳でフィンランド首相に就任したサンナ・マリン氏。新型コロナウイルス禍でのロックダウン(都市封鎖)、教育改革、NATO(北大西洋条約機構)加盟など政治的手腕を発揮する一方、私的な「ダンス動画」の流出や離婚など、何かと注目を集める存在です。今回、4月2日に行われたフィンランドの議会選挙では、党首を務める与党が敗北し、辞任することになりました。北欧ジャーナリストの鐙麻樹(あぶみ・あさき)さんが現地の様子をリポートします。

サンナ・マリン氏は「成功した政治家」

 「サンナ・マリン氏は首相としても、党首としても極めて人気が高いといえます。もちろん、彼女や彼女の政治を好きではないという人もいますが、過去の首相たちと比べても人気は高い。ただ、海外とフィンランド国内では彼女に対する評価は違うと思います」

 そう話すのはヘルシンキ大学でデジタル経済における消費者行動学を研究しているエッシ・ポウル氏だ。

ヘルシンキ大学でデジタル経済における消費者行動学を研究しているエッシ・ポウル氏。国政選挙に関連して各国からメディアが押し寄せており、「マリン氏についてコメントがほしい」とポウル氏にも取材が殺到していた
ヘルシンキ大学でデジタル経済における消費者行動学を研究しているエッシ・ポウル氏。国政選挙に関連して各国からメディアが押し寄せており、「マリン氏についてコメントがほしい」とポウル氏にも取材が殺到していた

 「海外で得た圧倒的な注目度は、彼女の人気に大きな影響を与えました。実はフィンランド人は、海外の人が『フィンランドのことをどう思っているのか』を気にしています。だから、北欧の小国が日本の新聞や米紙ニューヨーク・タイムズに取り上げられると、驚きます。マリン氏の政策を好きではなかったとしても、『世界におけるフィンランドのイメージを良い方向に変えた』という意味では、『マリン氏は政治家として成功した』とフィンランド人は評価しています」

関連雑誌・書籍

会員登録でクリップやタグの
フォローが可能になります
フォローしているキーワード/タグ
キャンセル