北欧ジャーナリストの鐙麻樹(あぶみ・あさき)さんは「大人になってからの学び」を継続中です。前編は「オンラインで大学院のサマースクールに通うメリット」と「脱落しないコツ」についてです。
北欧の大学だが、まず必要なのは「英語力」
前回記事「北欧のジェンダー平等の鍵は女性のボランティア活動に」で紹介した通り、2022年の夏、ノルウェー在住の私はオンライン留学をしていた。オスロ大学大学院のサマースクールでは「北欧のジェンダー平等」、テキサス大学では「メンタルヘルスとジャーナリズム」、これよりも以前からアイスランド大学や、オンライン語学学習プラットフォーム「italki」などでアイスランド語とフィンランド語も学んでいる(私はノルウェー在住だが、オスロ大学大学院までは距離があること、ほかの学びは海外のため、この記事ではまとめて「オンライン留学」と書くことにする)。
なぜ、オスロ大学大学院のサマースクールを選んだかというと、もともとオスロ大学、大学院で学んでいたこともあるが、知識をアップデートしたかったからだ。オスロ大学の副専攻でジェンダー学を学んでいたが、数年もたてば知識は古くなる。北欧のジェンダー平等について書き続けたいなら、知識をアップデートしないとだめだと思っていた。
サマースクールでは、私も学びに集中できた。ノルウェー中が夏休みだったからだ。6月末~8月初頭、人々は仕事をしない。政治家や企業リーダー、社員や記者たちも休みを取る。つまり、通常はニュースのネタ元となる人たちも、ニュースをつくる人たちも休みを取る。北欧の夏は、通常は働いている人たちが休暇や勉強など、別のことに没頭ができる時期なのだ。
ただ、学びの中で特に大変だったのもオスロ大学大学院だった。毎日2時間、Zoomでのグループレッスンと、大量の論文(合計1187ページ)を読んで、試験エッセーを提出しなければならなかったからだ。
