デジタルトランスフォーメーション(DX)が課題とされる日本に対し、フィンランドは欧州委員会が発表する「デジタル経済社会指数2022」(DESI)で1位となったDX先進国。ビジネスだけではなく、教育現場でもDX化が進んでいる様子を取材するため、北欧ジャーナリストの鐙麻樹さんがフィンランドの公立小学校を訪問し、リポートします。
教育をデジタル化するメリットは
2022年のジェンダーギャップ指数で2位となったフィンランド。実はDX先進国でもあり、欧州委員会が発表する「デジタル経済・社会指数2022」(DESI)では1位となった。これまでにも21年に2位、19・20年にも1位と、トップランキングの常連国となっている。
教育現場でもデジタル化が進んでいるとのことで、今回は首都ヘルシンキにある公立・ヴァットゥニエミ小学校を訪問し、実際の学習環境がどのように進んでいるかを見学した。
まずはフィンランドの「国語」であるフィンランド語の授業にはノートパソコンが使われていた。ノートパソコンは各生徒につき1台支給するのではなく、学校で所有する150台を、各教科の担当教師が必要なときに予約して使用するのだという。

文法を学ぶにはまず教科書を使って理論を習得し、その後に専用のオンライン学習サイトで練習問題を解く。つまり文法だけではなく、「IT(情報技術)スキル」も同時に勉強していることになる。

この日、授業を見学したのは小学6年生のクラス。担任のアット・ケットゥネンさんは「ノートパソコンで問題を解くほうが生徒のやる気が高いと感じる」と言う。1人1台、自分で自由にノートパソコンを使えるため、モチベーションが上がるのだろうか。ただ、もちろんノートに手書きで書くスキル習得も重視し、デジタルとアナログのバランスを取ることも忘れていない。
