2022年6~7月の全4日間、1日4時間の異業種交流型・対面セミナープログラムを開校します。日経xwoman主催「次世代女性リーダー育成講座」と題し、『なぜ自信がない人ほど、いいリーダーになれるのか』(日経BP)著者の小早川優子さんが講師となり、これからのキャリアに悩む女性を全力で応援するプログラムです。小早川さんがこの講座に込める思いをお伝えします。
セミナーでは多くのロールモデルを提示
突然ですが、皆さんに質問です。
身の周りに「私もあんなふうになりたい」と思えるロールモデルはいますか? 私が講師を務めるセミナーで受講生にこの質問をすると、「いません」という返事をする方が多いです。
特に女性のロールモデルに限定して聞くと「いない、いない」と首を横に振られます。「社内に女性の管理職や役員はいますよ。でも、 自分が目指す姿とはちょっと違うんですよね」と。
「ロールモデルなんて要りません。私は独自のやり方で仕事をしていきます」という人も中にはいますが、それが全員ではありません。やはりロールモデルがいると、仕事のモチベーションが上がったり、迷ったときの判断軸にできたりするものです。「『理想のロールモデル』、もしくはそれに近い女性が現実に存在している」というだけでも、希望を感じ、仕事に対して前向きになれる人も多いはずです。
ロールモデルは多様であるほうが効果的です。職種や業種、リーダーシップスタイル、働き方など、多種多様な働き方や活躍の仕方を知り、それを参考にしながら、自分にとって最適な「目指す姿」を構築していけるからです。今回の4日間の講座では、さまざまなロールモデルを提示していきます。
ジェンダーバイアスを取り払ったうえでのリーダー育成
今、女性向けのリーダー育成講座が増えています。しかし、プログラム内容を見てみると、過去のジェンダーバイアスの枠組みから抜け出せていないかたちの研修が多いと感じます。
女性は日々の業務の中で、サポート役や調整役という「女性らしさ」を期待されることが多くあります。こうした周囲からの期待に応えようとする思いと、リーダーに必須の「戦略的思考」はときに女性の中で葛藤を起こします。
また、リーダーになると、女性にも、それまでは女性であるという理由であまり期待されなかった財務的や戦略的な視点を求められるようになります。つまり、女性リーダーには「ダブルバインド」といわれる、同時に相反する期待が掛けられがちなのです。ジェンダーバイアスは時間をかけてつくられてきたもので、すぐになくすことはできません。ですから女性リーダーには、「女性らしさ」にとらわれないリーダーシップを取ろうという意識が必要になります。
今回のリーダー育成講座では、現状の組織や社会を理解しつつ、その上でジェンダーバイアスとどう付き合い、打破していくかなど、本当の意味でのリーダーシップスキルを伝授しますので楽しみにしていてください。
マイノリティの視点も大事
働く女性が増えているとはいえ、現段階では、日本の多くの職場はまだ男性優位社会です。この状況を踏まえ、今回のプログラムでは、マイノリティとしての女性の視点を大事にしています。組織内のマジョリティである男性の視点と、マイノリティである女性の視点は、実際のところ違うのです。そこを理解して必要なスキルを身に付けることで、今の職場でより自分らしさを発揮して活躍できるようになります。
これは男性は男性らしく、女性は女性らしくという話ではありません。これまで男性が中心となって構築されてきたビジネス社会には、男性による男性のためのルールや考え方があります。それに反旗を翻すのではなく、長いものに巻かれるのでもなく、実態を冷静に把握して、自分らしく活躍するためのスキルや考え方を身に付けよう、ということです。
