人材育成には適正な時間とコストを掛ける
今の時代ほど「人的資本」というキーワードが、日本の社会で注目されたことはありません。従来の日本の職場では、現場で必要なスキルを身に付ける「OJT(職場内訓練)」が是とされてきましたが、変化が激しく、複雑化する今後の社会では、OJTだけでは足りません。適正な時間とコストを掛け、貴重な人材に教育を施し、能力・スキルを上げていく必要があります。
これまでの社会ではどうしても、女性社員は男性社員よりも研修などの学習機会や挑戦的なポジションを与えられることが少ない傾向にありました。女性自身が無意識に持っているジェンダーバイアスの影響により、女性が「リーダーになろう」と思う意欲も低下しやすい環境にあります。
日本の人口の半分は女性ですから、これまで女性であるがゆえに与えられてこなかった、または、知らない間に逃していた成長機会を意図的につくる必要があり、女性に研修の機会を与えることは必須です。
リモート時代にリアル対面で講座を行う狙い
今回の講座はすべて、感染予防対策を徹底したうえで、会議室に集まって実施する予定です。昨今はリモート研修も増えていますが、その一方で、リモート研修の限界も見えてきています。今回はプログラムの目的を達成するため、また、受講生の学びを最大化させるために、リアルでの研修を実施します。
オンライン研修とリアル研修の違いの最たるものは一度に伝達できる、非言語を含めた情報の量とスピードです。限られた時間内で最大の学習効果を上げるためには、目の前の情報を瞬時に分析するスキルも必要となり、リアル対面形式の講座が有効です。
特に、20~30代で経験が浅い若手は、当然ながら持っているビジネス知識や情報が少なくなります。中堅社員やリーダー経験を持つベテランであれば潜在的に持っている知識・情報が多いため、リモートでも高い効果を得られる場合もあります。しかし、若手の場合、テーマによっては知識がゼロのところから学習をスタートさせることもあるでしょう。
リアルで集まって、小さなヒントから意思決定をするための情報を獲得し、お互いの顔を生で見ながら情報を共有し、ディスカッションしていくプロセスは、受講生にとって学びの時間になるはずです。