動かない生活をしているときの重だるさ、慢性的な凝りや痛み……そんな不調を「つまんでゆらす」ことで改善するのが「筋膜ゆらし」という新メソッド。方法はびっくりするほどシンプル。ストレッチ前に行うと、驚くほど柔軟性が高まります。
筋膜ゆらし
・凝りが和らぎ、体の柔軟性が高まる「筋膜ゆらし」【1】←今回はココ
・肩こり、四十肩、ひざの痛みに新メソッド「筋膜ゆらし」【2】
脂肪層や筋膜のすべりを良くする“筋膜ゆらし”で痛みが和らぐ
理学療法士で、桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部教授の成田崇矢さんは、アスリートや患者さんに写真のような「つまんでゆらす」施術を行うと、動きが悪くなっていた部分がめりっと剥がれる感覚があったという。
そんな経験から一般の人にも薦めているのが「筋膜ゆらし」だ。「慢性的に凝る、痛む、といった状態は、これまで主に筋肉や関節の“責任”にされてきました。しかし、脂肪層やその中にある筋膜層の動きの悪さもかなり関わっていることを実感しています」
筋膜層や脂肪層は指でつまめる部分にある。皮膚と筋肉の間にある2つの筋膜層「浅筋膜層(せんきんまくそう)」「深筋膜層(しんきんまくそう)」と、その間をつなぐ脂肪層には「衝撃から防御する」「なめらかな動きを支える」という役割がある(下図)。
ところが、「筋膜層や脂肪層は、加齢や、同じ姿勢を長時間とることなどによって硬くなり、なめらかな動き(滑走性=かっそうせい)を失っていく。ときには癒着し炎症を起こすこともある(滑走障害)」。
そこでそれらの層のすべりを良くするのが「筋膜ゆらし」。「筋膜ゆらし前後の超音波画像によって脂肪層や筋膜のすべりが良くなると、痛みが和らぐことを確認した」と成田さん。
筋肉や関節がスムーズに動くのは筋膜層や脂肪層がなめらかに動いてこそ。ストレッチ前に「筋膜ゆらし」を行うとその効果が一層高まり、凝りも和らぐ。