肩こりと首の背骨「頸椎」の問題は、実はひとつながりの関係にあり、放置すると痛みやしびれといった「頸椎症」に悪化していく。頸椎に負荷をかけている首、肩、背中の過緊張をほぐす「首トレ」で、頸椎を圧迫から解放しよう!前回、首を回すチェックで確認した3レベル別の首トレを紹介します。
一生使える首の整え方
・首を回して真横を向ける?ガチガチなら頸椎症に注意を【1】
・一生使える首の整え方 こり、痛み…レベル別「首トレ」【2】←今回はココ
・つらい首こり、受診すべき目安は?治療法は?医師が回答【3】
首の自然なカーブを取り戻す【こりとり首トレ】
「真横まで向けない、首や肩のこり症状がある」、頸椎症の初期段階の人にお薦めなのが「こりとり首トレ」だ。肩こりごときで体操をするモチベーションは上がらない……という人もいるかもしれないが、整形外科医でカイロプラクターの竹谷内康修さんは「肩こりを感じている人で首の悪くない人はまずいない」と警鐘を鳴らす。
こりの症状が出ている場合、頸椎の自然なカーブ(前わん)が失われる「ストレートネック」の状態であることも多い(下記参照)。これは、まさに頸椎が真っ直ぐになっている状態で、常に頸椎に多大な負荷がかかる。
「椎骨(ついこつ)が変形したり椎間板がつぶれたりする前であれば、首トレでカーブを回復することは十分に可能」(竹谷内さん)。
マッサージなどの施術を受けてこりがラクになっても、日ごろの筋肉の過緊張を放置していては症状が再発してしまう。
一方、体操の効果は日々積み重ねるごとに高まっていく。今以上に頸椎の状態が悪化し痛みやしびれが出ないよう、「こりとり首トレ」を行おう。
肩こり症状の原因となる、首から肋骨にかけて走る「斜角筋(しゃかくきん)」をゆるめる効果が高いのが、「首の前伸ばし」。そして、スマホ操作やパソコン作業の最中に、前に出がちな頭を引くのに重要な首の前側の深層筋を鍛えるのが「あご引き筋トレ」だ。あご引き筋トレは、ストレートネックの改善効果も期待できる。
続けるうちによい姿勢を無理なく維持することができるようになり、結果として不快な肩こりが改善されてくる。