政治に無関心でも無関係ではいられない

―― 誰ですか?

プチ鹿島 それは今、投票に行って、自分の意見が政治に反映されている人たちです。例えば特定政党の支持集団もあるでしょうし、「シルバー民主主義」といわれる現象もあります。高齢者の有権者が多く、政治への影響力が強い。そうすると高齢者にとって都合のいい政策が優先され、人口が少なく、投票率も低い若い世代の声は届きにくくなります。夫婦別姓や女性議員の人数を一定にするクオータ制といった議論も、まず進まないでしょう。

 ちゃんと投票に行って、政治家や政党を選ばないと、今回の18歳以下の子育て世帯に給付される10万円も、いつの間にか「年収960万円未満の所得制限」「現金とクーポン」という流れになってしまいます。

 自分では「政治に無関心」と思っていても、「無関係ではいられない」んです。

―― 無関心でも政治とはつながっているんですね。

プチ鹿島 給付金の「年収960万円未満」の世帯も、夫が主たる生計者で年収960万円以上+妻が専業主婦だと、もらえません。でも、夫婦で夫800万円+妻800万円だと合算で1600万円あるのに、「960万円以下」だから、もらえる。不公平です。

 この「年収960万円」は、1972年にできた児童手当のモデル家庭(夫が主たる生計者で、妻は専業主婦、子ども2人)の所得制限ですが、今や共働き世帯のほうが多いのに違和感がありますよね。

 「960万円って、どこから出てきた数字?」「岸田首相はスピード重視で給付金を届けるために児童手当の所得制限を活用したけど、いいの?」と、自分の中の違和感やザワザワ感を見過ごさない。そして、それを解決してくれる政治家や政党を探してみる。政治を謎解きゲームだと思うと、自分事として面白くなりますよ。

政治家や政党をどう見極める?

―― 「政治に無関係ではいられない」と、よく分かりました。でも政治家や政策を、どうやって見極めればいいのでしょうか。

プチ鹿島 真面目な人ほど、「今の政治の流れをすべて把握しなければ」と身構えてしまいます。でも、それは不可能だし、完璧な政治家もいません。最初は先ほど言った「やじ馬根性」でいいんですよ。ましてや今は、「この政策について、こう言っているけど、本当のところはどうなの?」と、SNSで本人に聞くことも可能な時代です。そうやって「推し」を見つければ、いいんじゃないでしょうか。

―― プチ鹿島さんは、どうやって政治に関する情報収集をしていますか。全国紙・地方紙を14紙も読んでいるんですね。

プチ鹿島 新聞は利用できますね。いつ・どこで・誰が・何をしたかを取材してありますから、信用度の高い情報が得られます。朝、忙しいときもパッと一面を見るだけで、世の中や政治の流れが分かります。

 そして読み比べをしていると、「A新聞では、このニュースが大きく扱われているけど、B新聞では小さい」「同じ政策に対してもA新聞とB新聞では正反対の意見だな」と違いが分かりますし、その違いこそが面白い。正反対の意見は聞かない、SNSでも気に入らない意見はブロックするという人もいますよね。でも、自分と正反対の意見こそ、「そうか、こういう考え方もできるんだな」と気づきを与えてくれます。

 何も何紙も読まなくても、紙ではなく電子版で読んでも十分です。ただ、地方紙だとテレビ局にラジオ局、グループ企業を持っていて、一大権力を握っている場合が。自社にとって都合のいい論調を展開していることもあるので、全国紙にも目を通してみるといいですね。