―― SNSはどうですか。

プチ鹿島 SNSも見ます。ただ、SNSで話題になっているものこそ正義とは思いません。政治家によっては投稿を連投して1つでもバズればOKというスタンスの人もいるし、ニュースのまとめサイトなどはフェイクも含まれているので、注意しています。

 2年前、大阪府の吉村洋文知事の「うがい薬が新型コロナウイルスを予防する」という発言がSNSで話題になっていたんですが、僕は「本当かなあ」と。静観して、翌日の新聞を見たら、ニュースとして取り上げていない新聞もあるし、掲載していても「効果は検証中」などと、控えめな記事が多かったので、「すぐに信じなくてもいいな」と。

―― 新聞とSNSの両方から、うまく情報を取ればいいんですね。

プチ鹿島 そうです。特に政治に関する情報は見比べて、自分の中で分析を深めればいいと思います。社内の情報でも「上司の○○さんは、こういう意見らしい」「○○さんと○○さんが付き合っているらしい」などと耳にしたら、複数の人に聞いて情報の裏取りをしますよね(笑)。それと同じことです。

「政治に対する自分なりの情報分析を深めていくと、『世論を気にして、政策を変えたな』『この政治家は時流に乗っかり始めたな』と分かるようになります」(プチ鹿島さん)
「政治に対する自分なりの情報分析を深めていくと、『世論を気にして、政策を変えたな』『この政治家は時流に乗っかり始めたな』と分かるようになります」(プチ鹿島さん)

「投票しても何も変わらない」の徒労感はどう解消する?

―― 政治に関心を持って、ちゃんと投票に行って。でも結局、「何も変わらない」と徒労感を覚えることもあります。

プチ鹿島 政治は一気には変わりませんからね。でも、例えば21年10月の衆院選なら、「あのとき自分はこう考えて、この候補に投票した」という自分の記録になりますよね。「あのときの自分は夫婦別姓に一番関心があったんだな」「教育無償化の問題には引き続き目を向けていかないといけないな」といった自分との対話になります。

―― 前回の選挙と何も変わっていないようでは、自分もブラッシュアップされていないということですね。

プチ鹿島 そうです。政治家も政策も、次の選挙ではまた違った面々が出てくるでしょう。「いまだにこの政策が実現していないんだ」「前回とは政策の優先順位が違うな」と吟味して、また選び直せばいい。選挙を自分との対話、成長記録と考えると徒労感にとらわれずに済むのではないでしょうか。

 政治は関心を持って見始めると「リアルタイムで進行中」で、「すべて実話」。どんなドラマやハリウッド大作よりも面白いですよ!

取材・文/三浦香代子(日経xwoman) 写真/小野さやか

※1 総務省発表
プチ鹿島(ぷち・かしま)
1970年生まれ。長野県出身。新聞14紙を読み比べ、時事ネタと見立てを得意とする芸風で、新聞、雑誌などにコラムを多数寄稿。TBSラジオ『東京ポッド許可局』、YBSラジオ『キックス』火曜日パーソナリティーに出演中。著書に『プロレス社会学のススメ コロナ時代を読み解くヒント』(ホーム社)などがある。