女性議員の大半がハラスメントを経験 「若さを売りにしている」と言われたことも

―― やはり、女性が政治家になることも、政治家を続けることもハードルが高いんですね。

本目 その理由には、大きく3つの課題があります。1つ目は政治家というキャリアの選択肢がほぼ存在せず、「そもそもなろうと思わないこと」、2つ目は特殊な世界のため、「なり方が分からないこと」、最後は、なったとしてもさまざまなハードルがあり「やめてしまうこと」が挙げられます。

たぞえ麻友(以下、たぞえ) 私は32歳のときに初当選したのですが、当時、目黒区議会議員の女性議員の中では最年少だったこともあり、「若さと女を売りにしている」と言われたことがありました。また、調査対象の女性議員の87%が「同僚議員からハラスメントを受けたことがある」と回答したデータもあります。このような精神的にネガティブな要素があることも、女性議員が増えない理由の一つだと考えています。

「WOMAN SHIFT」理事のたぞえ麻友さん。目黒区議会議員としては、現在2期目。小学生3人の母
「WOMAN SHIFT」理事のたぞえ麻友さん。目黒区議会議員としては、現在2期目。小学生3人の母

―― WOMAN SHIFTでは、これらの課題に対して、どのような取り組みをしているのでしょうか。

本目 女性議員になりたい人を増やすために大学や企業と提携してイベントを開催したり、実務内容を知ってもらうために、議員を目指す若手女性向けに講座を開催したり、現職の女性議員が悩みを相談し合えるクローズドコミュニティを立ち上げたりしました。

 また、19年からは女性の声をより政治家に届けるため、現職の地方議員のもとで子育て中の母親がインターンをする「ママの議員インターン」というプロジェクトを始動しました。

 22年5月時点で、「ママの議員インターン」を受け入れた議員は男女合わせて累計15人おり、66人のママがインターンを経験しています。このプロジェクトを通じて、子育てをしている女性が政治に興味を持つだけでなく、彼女たちの抱える課題を議員が肌で感じ、政治の場に反映してくれるようになることを期待しています