Twitterのスペース機能で交流して意見を拾うこともある

―― 議員のそばで動くことも、「選挙」以外で女性の声を政治に届ける方法の一つですね。でもやはり、「政治家に意見を言っても何も変わらないだろう」と諦めてしまっている人がいるのも事実です。

本目 政治家とは街頭演説やイベントなどでしか関われないと思われがちですが、SNS(交流サイト)を積極的に使って皆さんと交流している議員も実は多いです。Twitterのスペース(音声でリアルタイムで会話する機能)を使って、一般の方と話をしたこともあります。

たぞえ 私のTwitterにも、DMやメンションで意見が届くことがあり、見逃していなければ、すべてのものに目を通しています。ただ、区議会議員という立場ではどうしようもできない問題はあります。また、140文字では情報量が足りないこともあるので、Twitterでは簡潔に書き、詳細は公式サイトにメールしていただくとスムーズに対応できる場合が多いです。

―― SNSやメールで問い合わせた内容が、実際に反映されたことはあるのでしょうか。

たぞえ あります。私への問い合わせは子育て支援が中心で、その中でも特に保育園に関するものが多いです。さまざまな相談を受ける中で、私が実際に区役所へ掛け合って対応できた例もあります。

 コロナ禍で皆さんと会える機会が少ないので、SNSは自身の活動報告だけでなく、交流をしたり意見を聞いたりなどができる貴重な場所になっています

23年の統一地方選挙で女性議員の比率を上げるために活動

―― 女性議員が増え能力を発揮できるようにするために、今後どのようなことに取り組む予定ですか。

本目 19年に議員を目指す若手女性向けの講座を開いたところ、同年の統一地方選挙で受講者が2人とも当選しました。23年の統一地方選挙に向けても、当選を目指す女性が参加するコミュニティを開始しています。

 私たちが目指している大きな目標は、届きづらい女性の声をWOMAN SHIFTを通じて政治に届け、1つずつ実現していくことです。その中で、女性議員を目指す人や、応援したいと思う人を増やしたい。そして、小さなことでも抱えている課題を解決するきっかけの場所になり、この社会が少しでも暮らしやすくなればと思います。

取材・文/橋本岬(日経xwoman) 写真/本目さよさん、たぞえ麻友さん提供