2022年4月1日に施行される「プラスチック資源循環促進法」。プラスチックの削減とリサイクルの促進を目的とした法律です。この法律が施行されると、企業や私たち消費者はどのようなことが求められるのでしょうか。弁護士の佐藤泉さんに聞きました。

SDGsにも掲げられる「海と海洋資源の保全」を目的とした法律

日経xwoman編集部(以下、――) 「プラスチック資源循環促進法」とは、どのような法律なのでしょうか。

佐藤泉さん(以下、佐藤) 一言で言うと、プラスチックごみの量を減らしてリサイクルする「資源循環」により、環境汚染を解決するという法律です。2021年3月に法案が閣議決定され、6月に成立し、22年4月より施行の予定です。

 プラスチックは私たちが生活する上で欠かせない素材ですよね。テレビやパソコン、自動車部品、衣類など数えたらきりがないほど、身近なものに使われています。その背景には、金属などのほかの素材に比べて衛生的で軽い、そして大量に安くつくれるという点が挙げられます。

 しかし、便利過ぎるが故に、大量消費・大量廃棄された結果、海洋汚染を引き起こす原因の一つになっています。2050年までに、魚の重量を上回るプラスチックが海に流れると予想されているほどです。この課題に取り組むために生まれたのが「プラスチック資源循環促進法」です。

―― 「海と海洋資源の保全」は、SDGsの14番目の目標にも掲げられている大きな社会課題の一つですよね。プラスチック資源循環促進法が施行されると、プラスチック製品に携わる企業には、どのようなことが求められるのでしょうか。

佐藤 プラスチックの削減が求められる法律ですが、「今後、プラスチックを一切使用しない」というのは現実的ではありません。そこでプラスチック資源循環促進法では、市町村やプラスチックを使用した製品の製造事業者および販売・提供者が協力し合い、プラスチックの使用量を減らし、資源循環を目指します。

 特に、「12のプラスチック製品」が有料化などを推進する対象となりました。具体的に説明していきましょう。