世界経済フォーラム(WEF)が3月31日に発表した「ジェンダーギャップ指数(男女平等指数)」で、日本の順位は調査対象156カ国中、120位だった。過去最低となった2020年の121位(153カ国中)から変わらない水準だ。ジェンダーギャップ指数とは、経済・政治・教育・健康の4分野14項目のデータを基にして、それぞれの国の男女格差を分析したもの。順位の向上には何が必要なのか。今回は大正大学心理社会学部准教授の田中俊之さんに話を聞いた。

 2021年の日本のジェンダーギャップ指数の順位が120位だったことに驚きはありませんでした。

 私がここで強調したいのは、「こんな現状は、男性にとっても不幸なんだよ」という点です。

 日本が低い順位にとどまっているのは、女性が政治や経済などの分野で主要なポジションにいないためです。背景にあるのは出産後に時短勤務や育児休業を取得するのは大半が女性だという点でしょう。子どもが大きくなるまで、多くの女性は家事・育児に膨大な時間を費やします。そのため、女性が社会で活躍する機会を失う可能性が男性に比べ高いというのが現状なのです。

田中俊之(たなか・としゆき)さん/大正大学心理社会学部人間科学科准教授
博士(社会学)。内閣府男女共同参画推進連携会議有識者議員、厚生労働省イクメンプロジェクト推進委員会委員、渋谷区男女平等推進会議委員。著書に『男性学の新展開』(青弓社)、『男がつらいよ―絶望の時代の希望の男性学』(KADOKAWA)、『〈40男〉はなぜ嫌われるか』(イースト新書)などがある。

 男性の中には「つまり、現状は男性優位の社会であり、男性であることが幸せなことかもしれない」と短絡的に考える人がいます。大きな勘違いです。

 女性が家事・育児にコミットすることを前提とした社会の裏側には「男性は仕事にコミットしなければならない」という社会的な縛りがあります。このことを、多くの男性が認識していない。仕事にコミットするという社会的な縛りとは、つまり、大学を20代前半で卒業し、定年で退職するまで働き続けることを要求されていることなのです。

 それって、生きづらくないですか? 楽しいんでしょうか?

 私は専門の男性学の観点から男性たちへのインタビューを定期的に実施しています。30~50歳くらいの働き盛りの人、定年退職後の人など、それぞれです。「楽しいんでしょうか?」の質問に対する答えは、大半の人が「No」です。