世界経済フォーラム(WEF)による「ジェンダーギャップ指数2021」で、日本の順位は156カ国中120位(前回は153カ国中121位)だった。日本のジェンダーギャップ指数は、なぜこれほどまでに低い状況が続いているのか。その理由として考えられることや、ジェンダー平等を実現するために個人ができることについて、内閣官房内閣人事局で女性活躍促進・ダイバーシティを担当する永田真一さんに聞いた。

「指導的な役割の女性を30%に」の目標には届かず

 永田さんは2013年から約2年間、総理官邸で国際広報の仕事をしていました。「安倍政権が推進した『アベノミクス』では、成長戦略の一つとして、女性が消費者としてのみならず働き手としても社会をけん引できるようにすることで経済の活性化を図る『ウーマノミクス』が掲げられ、女性活躍推進が一気に加速しました」と当時を振り返ります。

 中央省庁においても女性が働きやすい環境の整備が進み、2020年4月に採用された国家公務員の総合職のうち、女性の比率は35.4%と過去最高になりました。国の地方機関課長・本省課長補佐相当職の女性比率は、2008年の5.6%が2020年には12.3%に上昇。係長・室長・課長級の女性比率も右肩上がりの傾向にあります。

 「各府省では女性官僚に対し、早い段階からキャリアパスを提示し、出産・子育てなどのライフイベントを踏まえた職務経験が積めるようにしてきました。府省によっては新型コロナの感染拡大以前からテレワークを導入するなど、仕事と生活を両立しやすい環境整備を進めてきたことが、女性管理職の増加につながっているように思います」

 永田さんは「女性活躍を推進するには男性の働き方を見直すことも重要です」と言います。女性活躍と男性育休はセットと考えられており、実際、中央省庁では男性育休に関しても積極的な取り組みを進めています。

 「厚生労働省では、子どもが生まれる男性官僚がいれば本人と上司を次官室などに呼び、『育休を取ってください』『育休を取れるように部署としてサポートしてください』と直接伝えるようにしたことで、多くの男性が1カ月以上の育休を取得しやすくなってきています。政府全体でも9割の男性が1カ月以上の育休を取得予定で、中央省庁が取り組めば民間企業がそれに続くケースも多く、『隗(かい)より始めよ』で官僚たちが働きやすい環境を整えることには意義があると考えています」

 ただ、女性活躍に関しては、官僚の採用人数や管理職比率といった数字の面では改善が見られるものの、「実感として『変わった』と感じるところまでには至っていません。中央省庁でも民間企業でも女性管理職の割合は1割程度で、政府が2003年に掲げた 『社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも 30%程度となるよう期待する』という目標は達成できていません。これは女性活躍推進のための取り組みが、社会にはまだ響いていないことの表れだといえるでしょう」