世界経済フォーラム(WEF)が3月31日に発表した「ジェンダーギャップ指数(男女平等指数)」で、日本の順位は調査対象156カ国中、120位だった。過去最低となった2020年の121位(153カ国中)から変わらない水準だ。ジェンダーギャップ指数とは、経済・政治・教育・健康の4分野14項目のデータを基にして、それぞれの国の男女格差を分析したもの。順位の向上には何が必要なのか、各界のオピニオンリーダーに聞いた。

 労働省(現・厚生労働省)婦人少年局長として男女雇用機会均等法の制定に奔走し、「雇均法の母」と呼ばれる赤松良子さん。退官後も「女性が活躍しないと社会は良くならない」という思いで、女性の政治家や候補者を支援する超党派のネットワーク「WIN WIN」や女性リーダーを育成する赤松政経塾などを主宰しています。赤松さんに、いまだ120位と低迷するジェンダーギャップ指数について聞きました。

赤松良子(あかまつ・りょうこ)さん/日本ユニセフ協会代表理事
1929年生まれ。53年に東京大学法学部卒後、労働省(現・厚生労働省)に入省。63年、国際連合フェローシップ試験に合格し渡米。84年、初代婦人局長に就任。男女雇用機会均等法の成立に尽力する。86年、駐ウルグアイ大使に任命される。89年帰国後、女性職業財団会長、国際女性の地位協会会長、文京女子大学教授などの職を務める。93年、細川内閣の文部大臣に就任。99年、政治分野に進出する女性を支援する超党派ネットワークWIN WIN(Women In New World, International Network)を、2012年にはクオータ制導入を目指して「クオータ制を推進する会(Qの会)」を設立。14年には赤松政経塾を創設。

日経xwoman編集部(以下、――) 男女雇用機会均等法が制定された1986年以来、女性の就業率は上昇していますが、管理職、役員の割合はなかなか目標値に届きません。

赤松良子さん(以下、赤松) 企業は、女性をもっと積極的に管理職や役員に登用してほしい。また、女性の側も、責任が重い仕事は嫌というのではなく、進んで責任を負う覚悟を持ってほしい。

日本の政治にもクオータ制を取り入れるべきだ

―― 日本のジェンダーギャップ指数の順位が低い原因はどこにあると考えますか?

赤松 日本のジェンダーギャップ指数が低い水準なのは政治分野に原因があります。政治分野の評価が特に悪いことが全体を押し下げている。評価は健康・教育・雇用・政治の4分野においてなされていますが、健康の分野の評価は高いし、教育の分野の評価も悪くない。大学院への女性の進学率が増えるともっと高くなります。

90歳を超えた今も、女性の社会進出を支援し続ける赤松良子さん。WIN WINでは選挙に立候補する女性に資金を援助している
90歳を超えた今も、女性の社会進出を支援し続ける赤松良子さん。WIN WINでは選挙に立候補する女性に資金を援助している

―― 政治の分野が原因だとすると、どういう取り組みが必要だと思いますか?

赤松 まず、女性候補者を増やすことです。女性の政治家が少ない社会は偏っている。人口の半分は女性なのだから、その人たちの意見が反映されないような世の中の仕組みは間違っています。特に衆議院議員の男女比率が9対1であるのは良くない状況。人口比率に近づけるべきです。