コロナ禍で女性の失業、男性の2倍も 雇用ギャップが悪化

―― 2021年版のレポートを読む上でのポイントは?

江田 昨年来、新型コロナウイルスの感染拡大が世界の社会経済を大きく揺り動かしましたので、そのインパクトを読み取る必要があります。リモートワークが増え、家事・育児・介護が女性に重くのしかかっているのは、世界共通の現象です。

 特に日本ではコロナ禍で女性の雇用が大きく失われ、失業者数は男性の倍以上になるといった民間調査もあります。小売りや観光業などコロナ禍で打撃を受けた産業で女性の就業率が高いことや、女性の非正規雇用への影響が大きかったことが原因です。

―― ジェンダーギャップ指数を公表する意図はどこにありますか。

江田 順位をつけるのが目的ではなく、その結果を見て、どうやって男女格差をなくしていくかという議論を深めてもらいたいのです。コロナ禍でさまざまなことが起きていますので、今後の議論はそれを踏まえたものでなければなりません。“経験というレンズ”を通してジェンダーギャップ指数を読み込み、改めて男女格差について考えてみる人が増えてくれるといいと思います。

ダイバーシティのある国や企業は、持続的に発展する

―― 経済とジェンダーギャップ指数は、どう関連していますか。上位国のリストを見て、「経済的に豊かな国ばかりとはいえない」という声もあります。

江田 もちろん156カ国が対象なので、経済レベルはさまざまです。しかし、国や企業のトップやリーダーシップ層に多様性がより高まると、パフォーマンスは向上すると多数の文献で指摘されています。ダイバーシティ&インクルージョン(多様性とその受容)を推進し、多くの人たちが活躍できるほうがイノベーションは生まれるし、マーケットの変化にも対応しやすくなります。なおかつ、従業員のコミットメントも高まる。

 そもそも、教育と健康の分野ではあまり男女格差がないのに、政治と経済になると女性がめっきり減ってしまうのはおかしな話。女性の力をもっと国力として使うべきです。

 人々が伸び伸びと暮らしていける社会になっているか、そういう社会をつくるための政治的判断がなされているか、経済的に参加できる機会がちゃんとあるか。こうしたことが今後、国の持続的な発展につながっていくのだと思います。