世界経済フォーラム(WEF)による「ジェンダーギャップ指数2021」が発表され、日本は156カ国中120位だった。前回の121位(153カ国中)から1ランク上昇したものの、G7では最下位。この結果をどのように受け止め、生かしていくべきか。ジェンダーと政治を専門とする上智大学教授・三浦まりさんに聞いた。

 ジェンダーギャップ指数の4つの指標、経済・政治・教育・医療のうち、経済・教育・医療は、努力結果が数字に反映されるまでに時間がかかります。一方で政治は、選挙で女性議員が増えたり、政治的リーダーシップで女性閣僚や議員数が増えたりするため、短期的に評価ポイントを上げることが可能です。

三浦まり(みうら・まり)さん/上智大学法学部教授
専門はジェンダーと政治、現代日本政治論。『日本の女性議員 どうすれば増えるのか』(朝日選書)、『ジェンダー・クオータ― 世界の女性議員はなぜ増えたのか』(明石書店)、『私たちの声を議会へ 代表制民主主義の再生』(岩波書店)など関連の著書・共著書も多数。

 2020年は衆議院総選挙がなく、女性閣僚は1人から2人に増えただけでした(※前回は2019年1月時点で1人、今回は2021年1月時点で2人)。今回、大きく順位を上げた米国(前回53位 → 30位)は、2020年に大統領選挙と議会選挙があり、女性閣僚比率が約50%になりました。日本は今年の10月に衆院選が予定されていますので、そこでどこまで女性議員が増えるのかがポイントです。現状だと劇的には増えないことが予想されるので、有権者からの働きかけが不可欠。また、新内閣が女性閣僚を5人以上任命するというような、強いメッセージを出していくことが必要でしょう。

経団連は30%以上、JOCは40%…女性役員比率の目標を明言

 政治の変化は遅いですが、社会の意識は急速に変化しています。例えば日本経済団体連合会(経団連)は3月、会員企業に対して、「2030年までに役員の女性比率を3割以上」にするよう呼びかけると宣言しました。また、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗前会長の女性蔑視(べっし)発言に対して国民が声を上げたことで、日本オリンピック委員会(JOC)では、6月の役員改選で「女性理事の割合40%」の目標を達成するとの方針を確認しました。

 今の日本は、いわばパラダイムシフトの最中です。当然のことと考えられていた認識がアップデートされていく過程にあります。これから5年ほどは意識の温度差が表面化するため、特に混沌とした状態が続くでしょう。この5年間に何をしておくかが、その先の未来を大きく左右します。