世界に目を転じれば、2021年3月、欧州連合(EU)が男女間の賃金格差解消に向けて賃金を透明化する指令をつくる方針が明らかになりました(※)。この方針に先んじて、ドイツやフランスでは既にこれに類する賃金透明化の法律が運用されています。つまり、平等賃金へ向けての企業間の競争を政府が後押ししているのです。日本の政策にそういう視点がないのは残念です。

※250人以上の従業員を抱える企業に男女間の賃金格差の情報を開示するよう義務付け、違反企業には罰金が科せられるEU法令の一つ。欧州議会や閣僚理事会での審議・議論を経て採択された後、2年以内に加盟国ごとで法制化される。

そもそも国会議員を輩出する場に、女性がいない!

 私がこの1年で最も心を動かされたのは、カマラ・ハリスさんの米国副大統領の就任演説です。涙が出るほど感動しました。バイデン大統領が副大統領を女性にすると公にしたときから、多くの女性政治家の名前が挙がりました。ジャネット・イエレン財務長官はじめ政権中枢部についても同様。候補者リストにあれだけ多数の女性の名前が挙がることに米国の底力を感じました。

 一方で、日本は本当に女性の国会議員が少なく、ジェンダーギャップ指数を押し下げる原因になっています(衆議院で9.9%)。女性の国会議員が少ない理由の一つは、議員秘書、地方議会の議員、官僚、法曹など、国会議員を多く輩出する場にそもそも女性が少ないから。地方議員の女性の割合も2割に満たず、実に全国の町村議会の約3割は「女性議員ゼロ」議会です(※)。世界では既に100カ国以上が導入しているクオータ制を日本にも導入すべきでしょう。「自然に」男女が平等になった国はなく、平等先進国には目的を持った「政策」があります。

※市川房枝記念会⼥性と政治センター調べ