男女どちらの姓にするか、2人が出した答え
バービー なかなか結論を出せなかったことの1つに、名字の問題がありました。法的な婚姻関係を結ぶにしても、現状では男女どちらかの姓を選ぶ必要があるので、どちらの名字にするのかについては、話し合いを重ねていました。
名字を変えること自体に抵抗はなかったのですが、「みんなが男性の姓にするから」「世間では女性が名字を変えることのほうが多いから」という理由で、私が名字を変えるのは嫌だったんです。
―― 話し合いを経て、バービーさんが名字を変えたのはなぜですか?
バービー 彼から「男性の改姓は社会的なハードルが高い」という話を聞いたからです。今の日本では女性が改姓することが多いので、男性が女性側の姓にすると、珍しがられ、「女性の尻に敷かれているんじゃないか」「婿入りしたのは何か事情があるのでは?」といったことを噂される可能性がある。実際に、彼もそういうケースを見たことがあるそうで、自分が姓を変えるのは「しんどい」と。
もちろん、噂話をしない人はたくさんいます。でも、男性の改姓が少数派である中、そこに踏み出すと、彼にとって居心地の悪いことが起こる可能性がある。だったら、「あえてその『しんどい』ところに行かなくてもいいよね」という結論に至って、私が名字を変えることにしました。私には「バービー」という芸名があるので、改姓しても、仕事の上ではそれほど支障はありません。
本当にジェンダーバイアスのない社会であれば、男女どちらの姓でも自由に選べるはず。でも、今はまだそうではないんだなと感じました。