今年、服や本、SNSから銀行口座まで、あらゆるモノを処分した田村麻美さん。モノを手放すことで過去の成功体験にすがらず、人生のリスタートが切れたといいます。

 「昨年末、職場の大掃除で大量の書類をシュレッダーにかけたら、過去が切り刻まれていくさまをすごく爽快に感じて。今までため込んだあらゆるモノを手放して、過去から解放されたいという衝動に駆られました」と税理士の田村麻美さん。

 4年前、自身の半生をつづった初めての著書がベストセラーに。昨年は2冊目の著書も手がけた。しかし、その成功体験を手放したくなったという

 「自分の考えを文章にしてたくさんの人に読んでいただいたことで、人一倍強かった承認欲求が満たされたんだと思います。大事に取っておいた原稿などを潔く処分したら、過去から解放され自由になりました

 心が満たされるとモノは必要ないと実感。3カ月かけ、服や本の大半を処分し、銀行口座やクレジットカードも整理した。さらに無理な人付き合いも手放した。

 「人脈を広げるために参加していた飲み会や営業ツールのSNSは最低限に。すべての人にいい顔をするより、今は絶対的に自分を助けてくれる家族や友人を大事にしたいです」

 過去を手放し、人生をリスタートした今の目標は、50歳で2拠点生活をすること。「将来は日光のような自然豊かな場所に住み、外国人向けガイドをするのが夢。その夢に向け、今は英語の勉強にも励んでいます」

田村麻美さん(38歳) 

田村麻美さん(38歳) 税理士・夫と子どもと3人暮らし
1984年埼玉県生まれ。都内の大手税理士法人、埼玉県内の税理士事務所を経て、2013年に東京都足立区にて税理士事務所を開業。著書に『ブスのマーケティング戦略』(文響社/集英社文庫)、『「フツーな私」でも仕事ができるようになる34の方法』(日経BP)。