本は、仕事で落ち込んだ気持ちを勇気づけてくれたり、変化のきっかけをくれたり、心のビタミンになってくれます。信州大学 特任教授 山口真由さんに、「働く私」を強くしてくれた珠玉の3冊を聞きました。

本を開くことで自分がどこにいるのか忘れられる

 法学者として、またコメンテーターとして活躍する山口真由さん。幼い頃から本を読む時間はかけがえのないものだった。

山口真由さん
山口真由さん、信州大学 特任教授
1983年北海道生まれ。東京大学卒業後財務省勤務、弁護士としての活動を経て現在はコメンテーターとしても活躍。『「ふつうの家族」にさようなら』(KADOKAWA)ほか著書多数。

 「現実の世界と折り合いをつけることがあまりうまくなくて、特に中学校は私にとってはそれなりに残酷な場所だったのですが、本を開くと自分がどこにいるのかを忘れられました」。

 本に夢中だった少女は、東京大学法学部をオール優の成績で卒業したが、入省した財務省でも、転職した法律事務所でも、仕事ができなかった。「他人にどう見られているかを気にして、軸がぶれてしまう人間なので、仕事ができないと評価されるのは、社会人になって一番つらかったことでした」と振り返る。大学までの文系の勉強は、読んできた知識量が成績を左右したが、仕事ではアウトプットがすべてだ。

  「求められるアウトプットの量が違うことに当時は気づいていなかったのです。私は読む能力が飛びぬけて高かっただけ。書くことも話すことも得意ではなかったのです。インプットが足りていないのに、日々アウトプットが求められて応えられなかった。今なら、あの時の自分に、読むのが好きで得意なのだから、人より何倍も読んでアウトプットの精度を確保しなさいと言ってあげます。もし今仕事で評価されていないと感じている人がいたら、それは状況にはまっていないだけ、きっと道はあるからとお伝えしたいですね

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