「楽しい仕事」があるのではなく、仕事が楽しくなるかは自分次第。前向きに仕事と向き合う人たちの、十人十色の仕事観に触れると、不思議と明日も働く元気が沸いてくる。「仕事が楽しい人の秘密」をいろいろな人に聞いていきます。今回は「介護訪問で奔走する人」、多田文香さんのご紹介です。
千葉県北東部、田畑が広がる香取市で介護施設を営む多田さん。同じ作業療法士の夫と結婚、勤め先の介護施設を退職し、地元に根差した介護サービスを展開したいと起業した。「当時は『私が社長?』 と思ったが、やってみたら経営に向いていた」と振り返る。
開業当初は無料で体を診るなどの取り組みが功を奏し、利用者は増加。次男出産後5カ月で、5つに増えた施設や訪問先を奔走する。昼食は車内で5分で済ませる毎日だ。
「リハビリは本人のやる気をいかに高めるかが重要。心が動けば、体も動く。歌を取り入れたり、交換日記をしたり、地道な苦労の積み重ねだが、少しでも高齢者の体がラクになるとうれしい」
※データの見方:手取り年収は「300万円未満」「300万円以上600万円未満」「600万円以上」のいずれかで表記。「仕事熱中度」と「収入満足度」は100%を最高値とする本人の実感値。