世界の舞台で戦うトップアスリートの栄光の裏には挫折があります。プレッシャーや失敗といった立ちはだかる壁にどう立ち向かい、乗り越えてきたのでしょうか。ネガティブな感情から抜け出せるヒントをアスリートの行動から学ぶシリーズを全3回でお届けします。今回は、五輪競泳200mバタフライ銅メダリストの星奈津美さんです。

逆境越えFILE1 病気&スランプを克服

「悩みを人に相談しない自分」を変えて
バセドウ病と不調の壁を乗り越えた
星 奈津美さん(29歳)

1990年埼玉県生まれ。2012年ロンドン五輪バタフライ200mで銅メダルを獲得後、持病のバセドウ病が悪化。一時治療に専念し、手術を決断。その後15年の世界水泳選手権で日本競泳女子初の金メダル、16年リオデジャネイロ五輪で2大会連続銅メダルを獲得。引退後、大学講師、講演会など幅広く活動。ミズノ所属
1990年埼玉県生まれ。2012年ロンドン五輪バタフライ200mで銅メダルを獲得後、持病のバセドウ病が悪化。一時治療に専念し、手術を決断。その後15年の世界水泳選手権で日本競泳女子初の金メダル、16年リオデジャネイロ五輪で2大会連続銅メダルを獲得。引退後、大学講師、講演会など幅広く活動。ミズノ所属

 2大会連続で五輪競泳バタフライ200m銅メダリストに輝いた星奈津美さん。コツコツとやり抜く彼女に最初の試練が訪れたのは、24歳のとき。

 投薬で抑えていた持病のバセドウ病(*甲状腺ホルモンが過剰に作られて、動機や息切れ、倦怠感を及ぼす病気)が悪化。病院へ直行し、薬を増やし様子を見ることにしたが、帰り道、母に電話すると涙があふれた。「五輪に間に合うのか不安なら、病院に戻って相談しなさい」。冷静な母の助言で、1日でも早く練習できる日々に戻ることが最優先だと気づく。甲状腺全摘出手術を決意した。