世界の舞台で戦うトップアスリートの栄光の裏には挫折があります。プレッシャーや失敗といった立ちはだかる壁にどう立ち向かい、乗り越えてきたのでしょうか。ネガティブな感情から抜け出せるヒントをアスリートの行動から学ぶシリーズを全3回でお届けします。今回は、パラリンピック水泳100m平泳ぎ4位の伊藤真波さんです。
逆境越えFILE3 絶望&不安を克服
20歳時の事故で右腕を失う。
「夢を諦めたくない」思いで看護師とアスリートを両立
伊藤真波さん(35歳)
「右腕を切断したとき、仕事も恋愛もできなくなると絶望しました。障がい者にそんな偏見を持っていた自分にも落ち込んだ。看護師を目指していたのに」。そう話すのは、20歳のときにバイク事故で右腕を失い、水泳パラリンピック選手として活躍した伊藤真波さん。
閉じた彼女の心が再び開き始めたのは、障がいを抱えても明るいリハビリ仲間や、彼らに薦められて読んだ車椅子バスケットが題材の漫画。前を向く気力をもらい、1年後に看護学校に復学。水泳を始めたのもこの頃から。