ある日突然、「がん」と宣告される──それは、決してひとごとではありません。実際にがんに罹患(りかん)し、治療と仕事とを両立させた女性2人に、闘病から現在の仕事に至るまでを聞きました。今回は、休まずに働く人生を選んだ佐藤由紀さんです。

【がんになっても前向きに仕事を続けた女性たち】
2つのがん経験 オープンにしたらライフワークに昇華
・がんは特別なことではない 休まず働く人生を私は選ぶ ←今回はココ

子宮頸がんを罹患、「宣告する医師も大変だな」

 「がんと診断されても冷静だった。宣告する医師も大変だなと考えていた」

 それほど「がんは特別なこと」と思っていなかったと語る佐藤由紀さん。 「介護や育児と同様、1つの事情にすぎない。キャリアを継続するのは自然な選択だった」

 佐藤さんは、IT企業の管理職として、AI関連のシステム開発を担っている。リモートワークで、入院中も仕事を続けた。「休んだのは、手術当日と翌日だけ」。現在は本業の傍ら、NPO法人がんノートの理事など、複数の仕事を兼任している。

 「求められるなら、どんな仕事でもしていきたい」

佐藤由紀さん
佐藤由紀さん(42歳・IT・技術統括)
NPO法人 がんノート理事
ひとり暮らし