自分に合ったシンプルな暮らしを手に入れるには、「自分は何が心地よいのか」を知ることが重要。年を重ねて自分らしいスタイルを手に入れた先輩に、身軽に生きるヒントを教わりました。

失敗を繰り返すうちに「自分らしさ」が見つかる

 1980年代にいち早く、衣食住をテーマにしたセレクトショップをオープン。以降もファッション業界で活躍し、その生き方にも注目が集まる石原左知子さん。

石原左知子さん

石原左知子さん
ファッション・インテリアプロデューサー
1950年島根県生まれ。文化服装学院卒業。スタイリストを経て、夫とともに婦人服ブランド「BASSO」の経営に参加。82年、セレクトショップ「sabby genteel」を東京・代官山にオープン。著書は『自由にたのしく年を重ねる 衣食住のつくりかた』(SBクリエイティブ)。現在は夫が海外在住のため、3LDKのオフィス兼自宅で、ひとり暮らし。

 自身のライフスタイルについて、「年を重ねるにつれて、シンプルになってきた」と話す。

  「私はファッションもインテリアも好きだし、シンプルといっても簡素なわけではない。でも、どれも愛情が持てるモノばかり。今のライフスタイルに合わないモノは潔く手放すから、モノが多くても身軽でいられます

 今愛用中のモノも、手放すときに誰に譲るかという「行き先」を決め、執着はしない。

 「東日本大震災後にボランティアで石巻へ行ったことも、モノへの執着を手放すきっかけに。所有にこだわらず、身も心も軽やかにして、今を楽しもうと思うようになりました」

 そうした自分らしいスタイルは、「年を重ねてきた今だからこそ、完成できたもの。20〜40代のうちは迷って当たり前。たくさん買って失敗することで、自分にとって本当に必要なモノが分かってきます」

 WOMAN読者には暮らしをシンプルにする一方、「やりたいことはなんでも挑戦してほしい」と石原さん。

  「私自身もやりたいように生きてきたし、夫が海外暮らしをしたいと言ったときも背中を押しました。20〜40代は体力もあるし、仕事も趣味も面白いとき。後悔しない生き方を!」