「仕事に行けないくらい、倦怠感やうつ気分が重い」─。そんな状況になったとき、どのようなプロセスを踏んでいけばいい? 受診、休職から復職に向けて、気になる疑問を解消しておきましょう。

体の訴えを察知して「急がば回れ」で治療を

 うつによる休職者の復職支援を行う東京リワーク研究所所長で精神科医の五十嵐良雄さんは、「コロナ禍では感染への不安やコミュニケーションの困難、リモートワークによって家庭が職場になるなど、働く人にはこれまで以上のストレスが加わったといえます。心身の不調がなかなか改善しないときは、体が“休んだほうがいい”とSOS信号を出している、と受け止め、早めに受診を」と言う。

心身の不調が改善しないときは、早めに受診をしよう
心身の不調が改善しないときは、早めに受診をしよう

 まずは起こっている症状を軽減するための治療を始める。軽いうつ病でも回復までには1年ほどはかかる。「焦って復職すると再休職を繰り返し結果的に症状が長期化してしまう。うつ治療は急がば回れ、なのです」。

 復職後も一定期間は受診し、再発を防いでいく。「春先や秋口など季節の変わり目はうつ症状が悪化することが多いので、ストレスケアを心がけましょう」。