さまざまなお金の情報源があるなかで、経済評論家の勝間和代さんが最もおすすめするのが、本。お金の知識を増やすための読み方を教えてもらいました。
情報強者になって、お金の本質を理解しよう
もし「誰でも簡単に五輪の選手になれる」という本があったら、そんなわけないと思って手に取らないだろう。でも「誰でも簡単にお金持ちになれる」という類の本には、飛びつく人もいるのでは。「気持ちは分かりますが、決してそのようなことはありません」と、経済評論家の勝間和代さんは断言する。
「お金持ちになるのは、スポーツの上達と一緒。今日始めた競技で、すぐに五輪に行けないように、一夜にして資産が倍増することはありません。ゴルフならスイングやパターを繰り返し練習するように、どうすれば資産が増えるのか、情報収集をして『情報強者』になり、お金の本質を理解しましょう」
その方法として勝間さんが強くすすめるのが、読書だ。情報収集ならネットのほうが手軽にできていい、という人もいるだろう。間違いではないが、得られる情報の質が問題だという。
「本は出版社の厳しい審査を経ているため、私たちの手に届く時点で正しい情報が取捨選択されているし、読みやすく編集されている。そしてセミナーや講演会でしか得られないような専門的な情報も多いのに安価。情報収集のための最もコスパのいいツールだと思います」
実際、国内外で読書量と年収は相関関係にあることが多数報告されている。例えば、米国のある研究データによると、富裕層の88%は1日30分以上ビジネス書などを読むという。ちなみに、勝間さんの読書量は1日1.5冊ペースで、月45冊。年間500冊以上にも及ぶのだとか。

1968年生まれ。経済評論家。中央大学ビジネススクール客員教授。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学卒業。銀行、外資系のコンサルや証券会社勤務を経て、独立。お金、ダイエット、片づけなどを学べるYouTubeチャンネルも人気。知識を富に変える読書のコツを公開した『勝間式 金持ちになる読書法』(宝島社)発売中。