思わぬ入院、親の介護、そして災害……そんなときに頼りになるお金の制度があります。知らずに損をしないために、いざというときに備えて、身を守るために必要な制度を知っておきましょう。

前編・通勤時のケガ、失業、心の病をサポートするお金の制度
後編・入院、親の介護、家屋破損……危機を救うお金の制度 ←今回はココ

いざというとき頼りになるのがお金。制度を知っておけばしっかりと保障が受けられる。
いざというとき頼りになるのがお金。制度を知っておけばしっかりと保障が受けられる。

【入院】医療費がかさんだら「高額療養費制度」と「医療費控除」

 突然の急病やケガで入院をすることになり、高額な医療費がかかってしまった……。想定外の出費に対し、家計がピンチになっても、使えるお金の制度がある。「高額療養費制度を使えば、超過分を取り戻すことができますよ」(社会保険労務士・FPの北村庄吾さん)

こんなときに使えるのは「高額療養費制度」

平均的な月収の場合、自己負担は約9万円

 入院費や手術代で高額な医療費がかかった場合は、「高額療養費制度」でお金が戻る。「1カ月に支払う保険適用の医療費の自己負担額が、自己負担限度額を超えた場合、超過分が払い戻されます。例えば、所得370万〜770万円以下の人が、1カ月で100万円(窓口負担は3割の30万円)の医療費がかかったとしても、自己負担額は約9万円になり、家計破綻を防げます」(北村さん)

自己負担限度額を計算する際の「医療費」とは、保険適用される診療費用の総額(10割)を指す。診療を受けた月以前の1年間に、3回以上の高額療養費の支給を受けた場合には、4回目から「多数回該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減される
自己負担限度額を計算する際の「医療費」とは、保険適用される診療費用の総額(10割)を指す。診療を受けた月以前の1年間に、3回以上の高額療養費の支給を受けた場合には、4回目から「多数回該当」となり、自己負担限度額がさらに軽減される

もらい方

 会社員は勤務先が加入する健康保険窓口に、フリーランスは自治体の国民健康保険窓口に申請。事前に「限度額適用認定証」の交付を受け、医療機関に提出して、最初から限度額までの支払いで済ませる方法と、事後還付申請をする方法があり、都合の良いほうを選ぶ。

こんなときに使えるのは「医療費控除」

年間10万円を超える場合、超過分が所得から控除

 年間10万円を超えて医療費を払った場合(※)、「医療費控除」を使えば、その超過分が所得金額から控除され、一部が還付金として戻る。

 「病院代や歯の治療費、風邪薬や胃薬などの市販薬、通院にかかった電車・バス代のほか、レーシックなど自費診療も対象。差額ベッド代、人間ドック、予防注射、ビタミン剤などはNG」(北村さん)。

 通院時のタクシー代は、急を要する病状、電車やバスの利用ができない事情があるなど、やむを得ない場合のみ、認められる。領収書の提出は不要だが、保管する必要がある。また、医師の指示により、訪問リハビリを受ける場合や、治療のために受けたリハビリの費用も対象になる。

(※所得金額の合計額が200万円以下の場合は、所得金額の合計額の5%相当額を超えて医療費を払った場合)

もらい方

 会社員でも税務署で確定申告が必要。2018年からレシートの提出が不要になった(レシートは自宅で5年間保管する必要がある)。