貯まる人の部屋は片づき、貯まらない人は散らかっている……。生活とお金の関係に着目するFPが、自然と貯蓄体質になる行動習慣を指南。家計簿より生活の見直しが先でした!

貯蓄は収入ではなく、意識と行動で決まる

 「どれほど稼いでも、ずさんな家計管理や衝動買いが多い暮らしではお金は貯まらないように、日々の習慣が資産に与える影響は大きい」と語るのは、ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さん。

 「25年間、家計相談を受け続けていますが、貯めている人は決まって身の回りの整理整頓が行き届いています。整理ができていない人は、必要な書類をすぐに出せず、家計もムダな支出が多い。暮らしとお金はつながっているんです」

 豊富な相談経験を持つ黒田さんが、貯蓄体質になるために必要というのが、下の3つの力だ。

貯める&増やすのに必要な3つの力
1. お金の知識(マネーリテラシー)
お金は知らないと損をすることだらけ。「家計管理や資産運用、保険や税金、ライフプランなど、知識は広く、多いほどいい。マネーリテラシーを高めていくことは、自分の資産だけでなく、人生を守る力につながります」。

2. 行動する力(金融コンピテンシー)
コンピテンシーとは、行動特性のこと。「知識はあっても、それを実践する行動力がなければいつまでも貯まる人にはなれません。大切なのは続けられる習慣です。お金によい習慣を1つでも多く身に付けることが、貯蓄に差をつけます」。

→まずは行動習慣を整えることが、貯蓄体質につながる!

3. 外部のリソースを使いこなす力(金融ケイパビリティ)
ケイパビリティとは、外部のリソースを使いこなす力。「例えば、家計簿をつけるのが苦手ならアプリを活用したり、判断に困る部分は専門家に相談したり。自分に足りない部分を外部の力で賢く補う能力があると、成果を一層高められます」。

 「現在は、マネーリテラシーを高めることが重視されていますが、それだけでは貯められるようにはなりません。行動する力、外部のリソースを上手に使う力があって初めて、知識が力を発揮するのです」

 なかでも、黒田さんが重視するのが行動する力、金融コンピテンシーだ。「ここでのコンピテンシーとは、保険の見直しなどたまに行うものではなく、片づけや買い物など日常で続ける行動習慣。ムダを出さない買い方や、必要なモノを見極める意識は、習慣化すれば毎日効果を上げ続けられます。まずは身の回りのモノを減らすことで、いい流れが生まれますよ」。

 次のページから、黒田さんイチオシの貯まる13の行動習慣を紹介する。できるものから積極的に取り入れよう。