Q. ワクチンを打てば、コロナ禍は終わる? 海外旅行は?

―― いつになれば、「コロナの心配がない社会」に戻れるでしょうか?

 一人ひとりの感染予防効果が100%でなくても、接種者が社会の大半を占めるようになれば、ウイルス自体を社会から排除していけ、ワクチンを接種できない人も守ることができます。これをワクチンの間接効果と呼び、その1つが「集団免疫」と呼ばれる状態です。

 日本は、世界で最も効果が高いmRNAワクチンだけで、ほぼ全人口をカバーする量のワクチンを確保しています。実はこれができているのは、世界でもイスラエルと日本だけ。大人の大半がmRNAワクチンを接種したイスラエルでは、ほとんど感染者が出なくなり、マスクを含めたあらゆる行動規制が解除されました(※2)。密を気にする必要もなくなっています。日本もみんながきちんとワクチンを打てば、同じ状況に至れるはずです。

※2 イスラエルでは最近、デルタの流行が確認されているが、感染者は主にまだワクチンを打っていない10代が中心とみられている
自由に旅行ができるようになる日は?
自由に旅行ができるようになる日は?

 それ以外の国は、やや有効率の低い他方式のワクチンも交えていることが多いので、イスラエルと同じ集団免疫に至れるかどうかはまだ分かりません。自分がワクチン接種を終えたとしても、有効率は100%ではないので、不要不急の海外旅行は控えたほうがいい状況が当面続くかもしれません。米国はmRNAワクチンの比率が大きく、しっかりと1人に2回接種をする方針で進めているので、比較的早く「旅行をしても安全な国」になれると思います。

Q. ワクチンを打てば、コロナ禍は終わる? 海外旅行は?
A. 集団免疫に至れば「旅行をしても安全な国」となる。しかし当面は、不要不急の海外旅行は控えたほうがいい状況が続くかもしれません。

Q. 変異ウイルスはどれくらい恐ろしいもの?

―― 日本人全員がワクチンを打てるまではまだ時間がかかりますが、そんな中、変異ウイルスが増えているというニュースが不安です。今増加中のデルタは、実際にどれくらい危険度が増しているんでしょうか?

 まず、デルタの感染力は、現在まで主流だったアルファ(英国で発見された変異ウイルス)と比べて高いという報告は一部あるのですが、決定的に差があるというコンセンサスまではまだありません。大げさに危険性をあおる報道がありますが、裏付けができるまではあまり気にしなくていいと思います。

 何より、デルタの感染力が高まっていようと、個人がすべき感染対策は何も変わりません。麻疹のように10m以上も飛沫が飛んでいき、電車の車両に1人感染者がいただけで全員が感染し得るような、そんな状況になっていることは考えにくい。密を避ける、同居家族以外とマスクなしで話すことを避けるといった、従来通りの対策をしっかりと続けてさえいれば、おおむね感染は防げます

 なお、新型コロナウイルス全般で、感染経路の大半は飛沫感染、つまりは対面で話している相手の飛沫を吸い込むことによる感染です。物に付着した飛沫を手で触ってしまうことによる「接触感染」は、全体の10%未満だと言われており、主要な感染ルートではない。手洗いや消毒は大切ですが、それだけやっていてはダメ。あくまで密を避ける、会食を控える、会話時はマスクをするといった飛沫対策が必要です。

 夏になるとマスクをするのがつらくなるでしょうが、可能な限り続けるべきです。水分を小まめに取る、直射日光の下に長くいないなど、普通の熱中症対策を取っていれば、マスク自体が熱中症のリスクを上げることはありません。

Q. 変異ウイルスはどれくらい恐ろしいもの?
A. 従来通りの対策(密を避ける、会食を控える、会話時はマスクをするといった飛沫対策)をしっかりと続けてさえいれば、おおむね感染は防げます。