Q. 子育て中は避けたい副反応、どう対策する?

―― 私たちがワクチンを接種するときに気になるのが副反応です。発熱や痛み、倦怠感などは、高齢者よりも現役世代のほうが強く出ると言われているのが不安です。特に子育て中の場合、必要な副反応とはいえ、親が動けなくなるのはかなり痛手で……。

育児中の体調不良はできれば避けたいが…
育児中の体調不良はできれば避けたいが…

 まず、接種後しばらくしてから出てくる、痛みや発熱などの副反応の発生頻度は、おおむね50%程度とされています。若い人でも必ず副反応に苦しむわけではありません。

 とはいえ、接種から数日間は、あまり家事をしなくてもいい準備を事前にしておいたほうがいいと思います。調理せずに食べられるものを多めに買い置きしたり、事前に家事を済ませたりしておくなど。また可能であれば、接種する日を夫婦でずらしたほうが無難かもしれません。副反応が出た状態で必ず子どものお迎えに行かなくてはならないとなると、つらいでしょうから。なお、2回目の接種時のほうが、副反応は強く出やすいと言われています。

 なお、こういった副反応が起きないようにするコツなどは特にありません。お酒を控えるべきとか、多めに水を飲めばいいなどといった噂が出回っていますが、それらには全く根拠はないです。

 頭痛や発熱がある場合は、飲み慣れている解熱鎮痛薬を飲んでください。これについても「アセトアミノフェン以外はダメ」といった言説が出回りましたが、ロキソニンでもイブプロフェンでもボルタレンでも、いつも飲んでいるもので大丈夫です。飲み慣れた薬がない場合は、「タイレノール」などの名前で販売されているアセトアミノフェンが比較的、副作用が出にくいとされています。

 また、接種後15~30分程度は、「アナフィラキシー」と呼ばれる強いアレルギー反応が出る可能性があるため、そのまま接種会場で待機して様子を見ることになっています。じんましんなどの皮膚症状に加えて、息苦しさや胸の痛み、腹痛、意識の消失といったパターンがあります

 このアナフィラキシー、ごくまれにではありますが、帰宅後に時間がたってから起きることもあります。なので上のような症状になったら、救急車を呼んで構いません。明確な基準はありませんが、「普段こうなったら救急車を呼ぶような症状」になったら、ためらう必要はないです。

Q. 子育て中は避けたい副反応、どう対策する?
A. 副反応の発生頻度は、おおむね50%程度。接種する日を夫婦でずらしたほうが無難かもしれません。

Q. 「ワクチン拒否派」の家族とどう向き合う?

―― 今、一部で問題になっているのが、「ワクチンを絶対に打ちたくない」人たちです。もちろん持病や体質などで打てない事情がある人もいますが、単に不安だったり、ワクチンが有害だったりと信じている人たちも。特に家族にそういった人がいる場合、いつまでたっても安心できないことになってしまいます。

 非常に厄介な問題です(苦笑)。陰謀論でしかない言説も含めて、ワクチン接種が怖くなってしまうような情報が飛び交っていますから、日本でも米国でもそういった人は多くいます。

 単に不安な人に対しては、かかりつけ医にアドバイスしてもらったり、厚生労働省などの公的機関が発信する情報を教えてあげたりするのがいいと思います。mRNAワクチンでも、若い人が心筋炎になり得るという報告がありますが、1000万人に1人程度ではないかといったごくまれな症状ですし、ほぼすべての方が回復しています。ワクチン接種直後に死亡したなどと報じるニュースはありますが、日本ではワクチンを打たなくても毎日3000人以上が亡くなっており、ワクチンで死亡率が上がったというデータは全くありません。厚生労働省はそういった正しい情報をしっかり発信しています。

 しかしさらに進み、陰謀論を信じてしまった人に対しては、対処法は正直……ないですね。新興宗教などにどっぷりはまった人と同じで、強固な信念ははがせない。個人は個人として尊重して、自分は距離を置くといったことしかできないでしょう。親がワクチン拒否派になり、子どもが接種する権利が侵害されるといった状況もあるので、正直頭が痛いですが、私には解決策が思いつきません。

Q. 「ワクチン拒否派」の家族とどう向き合う?
A. ワクチンで死亡率が上がったというデータは全くありません。とはいえ、個人は個人として尊重して、自分は距離を置くといったことしかできないでしょう。

取材・文/臼田正彦(日経xwoman) イメージ写真/PIXTA

峰宗太郎
医師(病理専門医)、薬剤師、博士(医学)
峰宗太郎 京都大学薬学部、名古屋大学医学部卒業、東京大学大学院医学系研究科修了。国立国際医療研究センター病院、国立感染症研究所などを経て、米国国立研究機関博士研究員。専門は病理学・ウイルス学・免疫学。ワクチンの情報、医療リテラシー、トンデモ医学などの問題をまとめている。