東京オリンピック開催の是非が国政に与える影響

―― つい目の前の大きな問題に注目しがちですが、さまざまな視点で各政党の動向を追うことが重要ですね。

大川 東京都は日本のエンジン役。つまり日本の政治・経済の中心にあり、「日本を今後どうすべきか」という大きな問題にも関わってきます。そのため東京都民はもちろん、関東近辺、地方に住む人たちも、それぞれの目線で東京都議会選挙の動きを注目してほしいですね。

―― 東京都は日本の政治・経済の中心とのことですが、今回の都議選は年内に行われる衆議院議員選挙にどのような影響を与えると考えられますか。

大川 やはり(都議選でも論点となっている)東京オリンピックの存在が大きいと思います。

 菅義偉首相は就任会見でコロナ対策を最重要としながらも、待機児童問題や外交問題などさまざまな課題に取り組みたいと話しています。要するにせっかく首相になったからには、少しでも長く政権の座にとどまりたいと考えているはず。

 先日、東京オリンピックに対して「安全安心の大会の実現は可能」と発言して批判を浴びましたが、無事に開催して日本中が東京オリンピックで盛り上がれば、衆院選に向けて支持率を上げ、選挙でよい結果を出せるだろうと考えているのではと思います。

―― 東京オリンピックは開催する方向で進んでいますよね。

大川 先日英国で開かれたG7サミットで、菅首相は主要国の首脳から開催の支持を得たという報道もあり、大会開催に向けた準備は着々と進んでいます。

 ただし、変異ウイルスの感染状況によっては中止になる可能性もゼロではないと思います。もし直前に中止を発表したら「場当たり主義だ」と一定数の批判は浴びますが、「国民のためにリーダーシップをとった」という肯定的な意見も集まるかもしれません。

 つまり東京オリンピックを開催してもしなくても、政権や自民党の支持率が上がるというシナリオを菅首相なりに準備しているのだと思います。とはいえ、シナリオ通りになるかは分かりません。