―― 4年前の都議選では都民ファーストの会が圧勝し、第1党に。自民党は歴史的大敗を喫しました。しかし現在、小池都知事は都民ファーストの会からは一歩引いた立ち位置にあります。

大川 一般的に都知事の政治的影響力はとても大きいですが、都議選の結果がその力を左右する面もあります。首長と議会は地方政治の車の両輪なのです。だからこそ、小池都知事はどの党を応援するかまだ明言せず、様子をうかがっている状況です。

 二階俊博自民党幹事長と小池都知事の関係性がよく、小池氏はもともと自民党所属だったので、今回は自民党に近づくのではという見方がある一方、コロナ対策で自民党への風当たりが強くなっているので、やはり都民ファーストの会に肩入れするのでは、ともいわれています。ただ、前回と比べ都民ファーストの会には勢いがなく、支持するメリットが今のところ小さいので、状況を見極めて判断するのではないでしょうか。

周りの人と政治について話をしよう

―― 2017年に行われた都議選の投票率は51.28%。今回はコロナという身近な課題が焦点ということもあり、前回より投票率が上がる可能性はあるのでしょうか。

大川 前回は都民ファーストの会が「東京大改革」と銘打つなど勢いがあり、「東京の政治が大きく動くのでは」と期待して投票した人が多くいました。実際に、前々回より投票率は上がっています。

 しかし今回は、「東京都議選の結果で何が変わるのか」「有権者にどのような影響があるのか」が見えにくいので投票率が上がるとは言い切れません。報道機関でもコロナや東京オリンピックが大きく取り上げられ、都議選を単体で扱っているところが少ないのも事実です。

今回の都議選に投票できるのは、2003年7月5日までに生まれ、都内に引き続き3カ月以上居住している人
今回の都議選に投票できるのは、2003年7月5日までに生まれ、都内に引き続き3カ月以上居住している人

 だからこそ、それぞれの視点で各政党や菅首相、小池都知事の動向に注目してほしいです。僕が学生たちに政治を教える上で伝えているのは、「数分でもいいから、周りの人と政治について話をしてほしい」ということ。会話をすることは、注目されている大きなトピックスだけでなく、個々が持つ課題を知り、自分にはない視点や気付きを得る機会になります。

 都議選は4年に一度の貴重な機会。たった一票ですが、先ほど話した通り、その結果は国政、今年の衆院選にも影響を与えるでしょう。都と国のリーダーシップをどの政党に託したいのか。自分たちの声を届けるために、ぜひ選挙へ足を運んでほしいです。

取材・文/橋本岬(日経xwoman) 写真/大川さん提供、PIXTA