経済産業省と東京証券取引所が、女性活躍推進で優れた取り組みや情報公開に積極的な企業を選定する「なでしこ銘柄」。10年目となった21年度は「なでしこ銘柄」に50社、「準なでしこ」に15社が選定され、先進企業の取り組みを知る一つの指標になっています。経済産業省の担当者に、なでしこ銘柄の今と「選定される」ために必要なポイントを聞きました。後編では、21年度に初選定された企業の担当者に選定までの努力と工夫について聞いていきます。

前編 「なでしこ銘柄」って何? 今後の選定基準のポイントは ←今回はココ
後編 制服廃止、クオータ制…女性活躍推進、3社の努力と工夫

なでしこ銘柄って何?

日経xwoman(以下、略) なでしこ銘柄とは何でしょうか? 詳しく教えてください。

経済産業省経済産業政策局経済社会政策室係長 田中智子さん(以下、田中) 「なでしこ銘柄」は、東京証券取引所に上場している約3700社を対象に実施する「女性活躍度調査」の回答に基づいて、経済産業省(以下、経産省)と東京証券取引所が共同で選定するものです。21年度は約530社から回答を得ました。

調査では「女性取締役の数」など定量的なデータを重視する
調査では「女性取締役の数」など定量的なデータを重視する

 調査で聞くのは、中長期で企業価値向上を実現するためのダイバーシティ経営への取り組みやその開示状況です。回答のあった企業に対してスコアリングを行い、業種ごとにスコア上位の企業が「なでしこ銘柄」に、「なでしこ銘柄」に選定されない企業のうち上位の企業が、業種にかかわらず「準なでしこ」に選定されます。

 社内に女性活躍を推進するための制度や仕組みがあることに加え、重視するのは女性取締役の数や女性管理職の比率です。2021年度は「なでしこ銘柄」50社、「準なでしこ」15社を選定しました。

女性活躍と企業価値向上の相関関係

―― 「中長期の企業価値向上」という点についてですが、女性活躍を入り口としたダイバーシティ推進が企業価値の向上につながるというのは、どんなことが根拠になっているのでしょう?

田中 コンサルティング会社や研究者が、女性活躍を推進している企業とそうでない企業のパフォーマンスの差について、さまざまな研究をしています。例えば女性役員の登用に積極的な企業の株価収益率は高く、女性役員や管理職のいない企業の株価収益率は低くなる傾向があります。

 ただ、企業価値の向上については、非常に多くの複雑な要素が絡み合った上での結果となります。また、人材の採用等の効果が出るのにもある程度時間がかかります。女性活躍推進が中長期の企業価値向上につながるということについて、さまざまなデータを企業に対して紹介していければと思っています。