菅内閣よりも1人多い3人の女性閣僚が誕生した岸田内閣。前政権との違い、岸田内閣の顔ぶれから予想される政策、衆院選で投票する際のポイントについて政治学者の菅原琢さんに聞きました。

女性閣僚は3人となった岸田内閣 代表撮影/ロイター/アフロ
女性閣僚は3人となった岸田内閣 代表撮影/ロイター/アフロ

今回は「選挙目前」での内閣誕生

日経xwoman編集部(以下、――) 10月4日に岸田文雄氏が首相に就任し、新政権が誕生しました。まずは政権発足に至った総括をしてください。

菅原琢さん(以下、菅原) 菅義偉内閣の支持率は、新型コロナウイルスの感染防止対策や経済対策などへの不満を背景に34%にまで下落しました(日本経済新聞調べ)。致命傷となったのは8月22日に投票された横浜市長選挙です。菅氏の地元で、菅氏が応援する候補者が負けてしまった。

 自民党内に動揺が走り、特に若手議員たちから「自分たちも次の選挙で負けるのでは」「この総裁でいいのか」という不満の声が上がり始めた。菅氏は党の人事の刷新など、いろいろ対抗策を講じましたが、かえって党内の支持を失い、退陣せざるを得なくなりました。

 総裁選には岸田文雄氏、河野太郎氏、高市早苗氏、野田聖子氏の4人が立候補しました。年金の抜本的改革案など改革色を打ち出した河野氏が、石破茂氏や小泉進次郎氏の支持も得て地方票ではトップでしたが、議員の間では「反河野・反石破」の動きが強まり、決選投票で岸田氏に議員票が集まることになりました。

―― 岸田氏になったのは妥当な結果だったのでしょうか。

菅原 「妥当」の基準をどこに置くかですが、河野氏は自民党員・党友の地方票では支持が高かったけれども、自民党議員の間では人気がなかった。秋までに衆院選、2022年夏には参議院選挙が控えており、野党側に押され始めている状況で、党内の路線対立が激化して政権が不安定になることは得策ではない。党内が安定する人物としては、岸田氏が妥当な選択肢だったということでしょう。

―― 新内閣が発足すると「ご祝儀相場」ともいわれ、支持率が高まる傾向がありますね。菅内閣の誕生時は74%でしたが、岸田内閣は59%とそれほど高くないのはなぜですか。

菅原 ベースとなる自民党とその政権への支持率がやや低下していることと、すぐに衆院選があるのが主な理由ではないでしょうか。普段なら、まだどんな内閣か分からないうちは「何となく支持する」層が多く、支持率も高くなりやすいのです。これが「ご祝儀」の中身です。しかし、今回は選挙前のため、例えば「今度の選挙では与党に投票しない」と考えている人がいます。普段よりも内閣への支持・不支持の判断が早まるでしょう。投票日が近づくにつれ、もっと支持率が下がるかもしれません。

―― 岸田内閣になって何が変わるのでしょう? 変わりそうな政策はありますか。