女性の強みがリーダーとして評価されるための2要素

―― これからの時代は、皆さんがお話しする「女性リーダー特有の要素」が男性にも求められそうです。一方で、今までのリーダーは経済合理性や生産性など、分かりやすい基準で評価されてきました。共感力や傾聴力がリーダーシップの評価軸として広がるためには、どうしたらいいと考えますか。

秋田 「エンゲージメント(企業に対する信用や愛着から来る貢献意欲)」のスコアが評価基準の一つとして重視されることです。このスコアが高ければ高いリーダーほど、企業が他人事ではなく自分事になっています。つまり、そのリーダー自身が企業の重要なメンバーであることの認識を持っていることが分かります。

 とはいえ、先見のある経営層やリーダーは、サーバントリーダーシップ(部下を支え、チームに奉仕する形のリーダーシップ)が求められていると気づいています。従来のリーダーの多くは画一的なバックグラウンドを持っていました。画一的なリーダーが自分だけで判断しようとすれば、視野が狭くなり、クリエーティブな考え方が生まれません。トップダウンではなく、いろいろな人の言葉に耳を傾けて意見をくみ上げないと、組織もビジネスも成長しないと気づいている人が増えていると思います。

ポラック=ペトリッチ 女性同士がお互いに助け合ってエンパワーメントすることも大切です。今日のような意見を交わし合うカンファレンスがいい事例です。女性の中には、ほかの女性からの意見をあまり好まない人もいるかもしれません。しかしグッドリーダーでありながらも、グッドパーソンであることが重要だと気づき、両方を追求すれば、リーダーとして認められるチャンスが来るかもしれません。