今、あえてお酒を飲まない「ソバーキュリアス」というライフスタイルが話題だ。「sober(しらふ)」と「curious(好奇心)」を組み合わせた造語で、「しらふへの好奇心」「しらふでいたがる」というニュアンスが含まれている。「お酒を飲まない」って、飲み会ではどうするの? 禁酒や断酒とはどう違う? 気になる疑問を探った。
しらふこそクール! そんな生き方が世界で話題に
お酒が飲めないのではなく、「あえて飲まない」ソバーキュリアス。
もともとは英国出身のジャーナリスト、ルビー・ウォリントンが発案した言葉で、自らの体験をつづった本『SOBER CURIOUS』を2018年12月に発売。
日本では21年10月に翻訳版の『飲まない生き方 ソバーキュリアス』(方丈社)が発売されたところ、Amazonの「たばこ・禁煙」のカテゴリーでランキング1位に。書店でも特設コーナーが設けられるなど、反響があるという。
翻訳版を手がけた方丈社の編集担当・梅森妙さんは、ソバーキュリアスが話題になっていることについて、次のように分析する。
「新型コロナウイルスの感染が拡大し、これまでのように飲食店でお酒が飲めなくなった、飲み会が減ったことに関係していると思います。何となく習慣として飲んでいたお酒というものが『本当に自分にとって必要なのか』と考え直した人が多かったのでは。また、コロナウイルスが猛威を振るう中、『自分の命と時間には限りがある』と意識した人もいるでしょう。せっかくの人生をダラダラとお酒を飲んだり、二日酔いでムダにしたりしたくない、という時代の流れにフィットしたのだと思います」
従来の「禁酒」や「断酒」とは、どう違うのだろうか。
「禁酒・断酒というと、何かお酒でひどい失敗をしたり、体を壊したりして飲めなくなったというマイナスのイメージですよね。でも、ソバーキュリアスは飲めるけれどもあえて飲まない選択です。飲まない(sober)ことによって、自分がどう変わっていくのか、どんな次のステップへ進めるのか好奇心を持って(curious)楽しんでいる状態だといえます。著者自身はソバーキュリアスの効用として、
・胃の調子が良くなる
・肌のトラブルが解消する
・生産性がアップする
・不安が軽くなる
・お金がたまる
などといったことを挙げています」(梅森さん)